数多の活躍馬を送り出すディープインパクトですが、ダートの重賞勝ちはわずかに1勝のみ。ここまで極端な成績を残す種牡馬も珍しいですが、配合・育成の段階から「芝馬」としてスタートしているわけですから、当然と言えば当然かもしれません。
とはいえ、ダートでもしかして?という馬もチラホラとは出てきています。それが11月3日に行われる「JBCレディスクラシック」に出走するトーセンセラヴィ(浦和・小久保智厩舎)です。
母トーセンジョウオーは、ティンバーカントリー産駒らしいパワー型で関東オークス・マリーンC(2回)・スパーキングレディー(2回)・エンプレス杯と交流重賞6勝の活躍馬。父ディープでどちらに似るのか、もしくは長所を打ち消してしまうのではないか?と密かに注目していましたが、デビューは中山芝1600。2番手で流れに乗っていた割に追ってひと息だったあたり、この時点でダート馬としては適性は覗かせていたのかもしれません。続く2戦目ではダート1600を快勝しました。
その後は、交流戦1勝を積み上げただけで頭打ちとなり、4歳冬に小久保厩舎へと移籍。すると南関東の水が合ったのか、南関東リーディングトレーナーの腕か。移籍緒戦を1.2秒差圧勝で決めると、続く2戦目も楽勝。3戦目で土がついたものの2着、4戦目から再び快進撃が始まり、破竹の8連勝をマーク。
今回は一気の相手強化となりますが、勢いということなら間違いなくこの馬が一番。幸い、ロスなく運べる最内枠を引き当てることもできました。
異質のディープ産駒となれるかどうか。ここは注目の一戦となりそうです。