JRA初の試みとなった今年のワールドオールスタージョッキーズ。競馬ファンからすると「ワールドスーパージョッキーズシリーズ」のほうがなじみがあるので違和感があった方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、豪華メンバーがそろった2015年にして初の札幌競馬場での開催。武豊騎手の騎乗馬の直前変更や、横山典弘騎手から蛯名正義騎手への乗り替わりなど、イレギュラーはありましたが、面白いレースを魅せてくれました。
第1戦は地方金沢の名手・藤田騎手が見事勝利。JRA初勝利になるうえに、札幌競馬場もおそらく乗ったことがなかったのではないかと。地方の騎手はダートの小回りの経験は豊富ですが、芝の経験値が浅い。そういう意味でも興味深いレースとなりました。
初日に注目すべきはやはりモレイラ騎手の手綱。初戦は2着、2戦目は1着で暫定首位をキープしての日曜日への折り返し。2位には武豊騎手が10p差でつけ、3位には藤田騎手がつける展開でした。
最終日となった日曜日もモレイラ騎手の手綱が冴えました。3戦目にまた勝ち、ほぼ首位を確定。最終戦は着外でしたが、馬の能力もあるので、さすがに名手とはいえ限界がありました。
イギリスの女性騎手ヘイリー・ターナー騎手が最終戦で日本初勝利を挙げることができたのも印象的でした。今年は短期免許で久しぶりの来日となったリサ・オールブレス騎手もいい競馬を見せてくれましたし、性別関係なく対等に渡り合えるスポーツという意味でも競馬はやっぱりいいですね!
最終結果も初日の1, 2位が変わらずで、さすがに世界のどの競馬場でも素晴らしい結果を出してきたモレイラ騎手が見事優勝。ワールドオールスタージョッキーズ含め、モレイラ騎手はこの土日、20戦で7勝2着4回。勝率3割5分もすごいですが、連対率が5割超えています。競技こそ違いますが、まるでイチロー選手のような安定感のある活躍で、香港所属となっていますが、もはやワールドワイドですね。
メインのキーンランドCのエポワスは3番人気9着と見せ場がなかったですが、「短期免許でまた来たい」とコメントを残してくれました。短期といわず、いっそデムーロ騎手、ルメール騎手のようにJRA所属(できれば関東所属で)で長期で乗ったらどれだけの記録を残すのか。"世界は広い"を改めて感じさせる2日間でした。