競馬をする上でよく聞くキーワードとして「掲示板入り」というものがあります。競走が終わって競馬場の電光掲示板に記される馬番5頭のことを指し、レースで上位に入り、好走した5頭という目安として使われますが、馬券を購入する側からすると1~3着に比べ4, 5着馬への関心は大きく落ちるのではないかと思います。
一方で実際に競走馬を所有する馬主側からすると一つでも着順があがればそれだけ賞金額も大きくなるため、長くオーナー業を続けていく上で着実に上位入着してくれる孝行馬の存在は非常にありがたい存在であると言えるでしょう。
今回はそんな、重賞勝利こそないものの着実に賞金を積み上げ続け、現役生活で合計2億円以上の賞金を稼ぎ、種牡馬入りを果たしたストーミーシーに注目したいと思います。
浦河町のオーナーブリーダーであるミルファームの所有するアドマイヤムーン産駒で今年8歳となり、2歳7ヶ月のころに美浦・斎藤誠厩舎からデビューし、9月の4戦目で初勝利をあげると、3歳春のG2・ニュージーランドトロフィーで2着に好走するなど、芝マイル路線で頭角を表し、6歳時には朱鷺ステークス、7歳過ぎに東風ステークスと、重症未勝利ながらリステッドレースでは2勝をあげ、今後は種牡馬として新冠町の太平洋ナショナルスタッドで繋養されていくことになりました。
カフェラピードやソルテといった馬たちも元気に過ごしている環境で、種付け料は30万円で設定されています。
アドマイヤムーン産駒の先輩種牡馬で言えば既に産駒のデビューも果たしているハクサンムーンもいますが、芝マイルまで対応できるストーミーシーは需要も見込めそうなだけに、重賞勝利もなく地味な種牡馬デビューとなりそうですが、種の多様性という意味でも応援したい一頭ですね。