今年のリーディングは戸崎騎手で決まりと誰もが思っていた2カ月前。まだ、残暑が残る9月初め。夏の重賞連続連対記録を伸ばし、平場でも勝ちを重ね、普通に行けば戸崎騎手で今年のリーディングは決まりと言った雰囲気が流れていたのは事実。しかし、ここから徐々にルメール騎手が戸崎騎手との差を詰める。逃げる戸崎。追うルメール。徐々にだが差が詰まってきた。
そうこうするうちに11月に突入し、あと2カ月の勝負となったここで激震が走る。11月6日のルメール騎手の騎乗成績は8-1-0-1の1日8勝。騎乗10連続連対は新記録。1日8勝は、武豊騎手と並びタイ記録。今年の流行語候補である、プロ野球界を大きく賑わせた広島鈴木選手を表す『神ってる』実況も決して用意していたものではなく、とっさに反射神経的に出た言葉だろう。それほどのインパクトだった。ルメール騎手はこれで、戸崎騎手と僅か1勝差になった。ここから先は騎乗馬の質がものを言ってくる。どちらも敏腕エージェントなので、騎乗する馬の質は互角。後は腕比べと言った所。ルメール騎手もここまで来たら一気に追い抜いて競馬界の『神ってる』男になりたい所だろう。