中山競馬の土曜メインは、春の障害界チャンピオンを決める一戦「中山グランドジャンプ」です。
出走頭数は8頭と少ないですが、1年ぶりに障害G1にオジュウチョウサンが出走してきたのは見どころですし、昨年の中山大障害1着のメイショウダッサイ、2着のケンホファボルト、3着のタガノエスプレッソと馬券に絡んだ上位が全馬出走とレベルの高いメンバーが揃いました。構図的にはオジュウチョウサンVS中山大障害組という構図になりそうです。
王者オジュウチョウサンの6連覇も期待したいところですが、今回注目しているのは、中山大障害で7着だったヒロシゲセブンです。
ヒロシゲセブンはこれまで障害を19戦して3勝2着5回の成績を残しているディープブリランテ産駒の6歳馬。オープン戦2勝はあるものの、障害重賞勝ちはなく、重賞での実績は東京ハイジャンプ(J・G2)でメイショウダッサイの2着に食い込んだのが最高順位となります。
今回障害G1の勝馬が2頭、障害G1で2・3着に入ったことがある馬が4頭もいる中では、実績はや劣ります。しかしながら、ヒロシゲセブンには積み重ねて力を付けてきた上昇度があります。出走馬の中で障害界に転身した年齢を見てみると、ヒロシゲセブンは3歳で、同じ3歳で障害デビューをした馬はオジュウチョウサンを含めて半数の4頭でした。
早くから平地競争に見切りをつけて障害に転身するのは、厩舎側にとっては苦渋の選択だったことでしょうが、障害の素質が何かしらあったのだろうと思われます。その証拠に、3歳で障害デビューをしたヒロシゲセブン以外の3頭(オジュウチョウサン、シンキングダンサー、スマートアペックス)は、緒戦こそ大敗していますが、早めにその素質を発揮し、4戦以内に勝利しています。
対象的に、ヒロシゲセブンは10戦目ですから素質が疑問視されてしまいますが、それでも障害レースを走り続け、力を積み重ね、ついにはオープン2勝、そして昨年は障害G1に2戦出走し6着、7着の結果を残すまでになりました。
今回が障害G1・3戦目ですから、その経験も活きてくることでしょう。オジュウチョウサンやメイショウダッサイもG1をいきなり勝ったわけではなく、2,3戦目で勝ち星を挙げています。ヒロシゲセブンは出走馬の他の有力馬よりも時間が掛かっているかもしれませんが、まだ6歳ですから上昇度はまだまだあるはずです。
ということで、中山グランドジャンプは、相手は強いですが、積み重ねて強くなったヒロシゲセブンがその上昇度を活かしてに見事に障害界の新星となってくれることに期待して応援したいと思います。