【JRA阪神大賞典2023】ボルドグフーシュの乗り替わりは〝危険サイン〟か?

阪神競馬の日曜メインは長距離チャンピオン決定戦につながる注目の前哨戦「阪神大賞典」が開催。

実績面や近戦の好走ぶりから主役は4歳馬のボルドグフーシュが濃厚か。昨年の菊花賞ではアスクビクターモアの2着。有馬記念でもイクイノックスの2着に食い込み、実績は十分。

もともとは2000mを使われてきたが、昨年3月に2400mのゆきやなぎ賞を快勝以降、距離を伸ばしてパフォーマンスを上げてきた。豊富なスタミナがあることが証明され、本来の高い能力が距離延長で完全に開花したかたちだ。2200m以上では全6戦でラスト3Fメンバー最速の脚を繰り出し、【2-2-2-0】と安定感抜群だ。

前走の有馬記念では現在調教師となった福永元騎手が手綱を握っており、2着後は「来年は主役を張れると思う」と太鼓判も押していた。鞍上が昨年のリーディングジョッキーで今年もトップを走る川田騎手へと乗り替わりと勢いのあるコンビに思えるが、あたりの柔らかい騎手からの乗り替わりをプラスと見ないファンも少なくないはずだ。

個人的に川田騎手は「短距離戦」で「先行馬」に騎乗する際に信頼度が上がるというイメージが強い騎手だ。「長距離戦」を「追い込み馬」で上手く乗るイメージは薄い。末脚に頼り過ぎると取りこぼしの危険もあり、後ろからの競馬が基本となるボルドグフーシュは道中のエスコートが重要視される。また、スタートが改善しない限りは展開待ちの馬となりそうで、騎手の展開読みも重要となってくる。

今回“もう2着はいらない”と陣営からコメントも出ており、勢いや実績が最上位となる今回はかかるプレッシャーも大きい。壁やプレッシャーが大きい中、騎手の手腕が大きく問われる長距離戦でテン乗りの追い込み馬という条件は、決して楽な条件ではない。全ての壁を乗り越え、長距離王者への一歩目を刻むことができるかに注目だ。