【プリンスオブウェールズS】「ドバイに続き好状態」C.デムーロ騎手、栄冠獲得へ意欲

日本時間の15日23時40分、プリンスオブウェールズS(G1、芝1990m)が英国のアスコット競馬場で開催。2020年の同レース覇者・ロードノースをはじめ、破竹の5連勝で今年5月のブリガディアジェラードS(英G3)を制覇したベイブリッジなど、海外の強豪馬が今年も揃った。

日本からは昨年のダービー馬、シャフリヤールが参戦する。ライバルも強力な顔ぶれだが、英国の大手ブックメーカー・ウィリアムヒルではベイブリッジの1番人気(2.37倍)に次ぐ2番人気(4.00倍)に推されており(6/14時点)、海外での評価も高い。ダービー勝利も十分に評価できる内容だったが、前走のドバイシーマクラシックを勝ったことで世界の注目と評価が一気に上がった。

鞍上はそのドバイシーマクラシックで手綱を握ったC.デムーロ騎手が引き続き騎乗。11日には英国・ニューマーケット調教場の追い切りで同馬に跨がり、芝の坂路コースであるゴールデンマイルで5Fから強めに追われると、前の馬を追いかけるように単走で駆け上がった。現地英国の競馬メディア「RACING POST」内のインタビューでデムーロ騎手は現在の同馬の感触について下記のように言及。

「日曜に芝で軽めのキャンターを消化した時の様子は順調でした。ドバイの時は前もって乗れず、レース直前にコンタクトを取りましたが、当時と同じ好状態にあるという印象を受けました。」

ドバイやダービーなど2400m前後での好走が目立っているが、今回の舞台は1990m。ただ、昨年は1800mの毎日杯で芝1800mの日本レコードタイを記録して快勝しており、スピードに勝った中距離適性の高いタイプ。デムーロ騎手も「ペースに戸惑うことはないと思います。ドバイでは逃げ馬の後にスムーズに付けることが出来ました。ダービーやジャパンCでもジョッキーの思い通りの位置取りが取れてましたし、どんなペースにも対応出来ます。」と前向きなコメントを残しており、ドバイからすでに好感触を掴んでいた様子。距離については問題なさそうだ。

問題となるのはアスコット競馬場特有の“高低差”だろう。アスコットの1990mコースは、スタート直後にすぐに長い下り坂が続き、そこからカーブを回って次の直線に向くと、再び登り坂となる。降りて・登って・登って、と2段階上がるコース形態となっている。また、最後の直線も約500mと長く、ゴールまでも登りと本当にタフなコースである。この特殊な高低差についてはデムーロ騎手も言及。

「問題はアスコットの高低差をこなせるかどうかだろう。ただ、先日はニューマーケットでは好調ぶりがうかがえたし、積極的に行きたい。ドバイと同じ好状態なら、チャンスは大いにあると言って良いだろう。」

過去同レースに挑戦した3頭の日本馬はいずれも6着。過去10年では地元イギリスが最多の6勝、次いでアイルランドが4勝と日本勢は結果を出せていないが、これまでで最上位の馬を送り出せるだけに、期待感は大きい。鞍上のC.デムーロ騎手も高い期待感を寄せるシャフリヤールなら、日本勢にとって悲願の栄冠達成を果たしてくれる可能性は大いにあると考えてよいだろう。