【JRA京王杯スプリングC予想2023】ダノンスコーピオン、1400mへ距離短縮は〝危険サイン〟か?

今週は安田記念の前哨戦「京王杯スプリングカップ」が東京競馬場で開催。例年G1馬も多数参戦するレースで、前哨戦から古馬マイル路線はG1並の盛り上がりを見せる。

そんな中今年の優勝候補の最右翼と目されているのが、昨年のNHKマイルCの覇者ダノンスコーピオンだ。

NHKマイルC快勝後は同じ東京マイルの富士Sでも3着に好走し、東京マイルの重賞で連続好走。その後はマイルCS・11着、香港C・6着と崩れており、得意の東京コースで巻き返しを狙う。

2歳時は朝日杯FS・3着、アーリントンC・1着とマイルの重賞戦線で活躍を見せてきており、生粋のマイラーと呼べる存在だ。今回は初の1400m戦ということで、短距離路線でも実力を発揮できるのかどうかは一つの懸念材料と言えよう。

個人的には距離を伸ばして2000mあたりで見たかったと思っていた馬なだけに、距離を短縮してここへ駒を進めてきたのは意外であった。過去の好走歴を振り返ると、パフォーマンスが高かったのは道中で淡々とした速いラップを刻みやすい東京マイルの舞台が多い。

短距離戦はスタートから飛ばす傾向が強く、前傾ラップになるのが必然だが、東京芝1400mにおいてはスタート直後にある上り傾斜のため、ペースは落ち着きやすいという特徴がある。過去10年のスプリングカップのラップを見ても、ハイペースとなった年は2回のみ。それ意外はスローからミドルペースで推移している。道中で溜めの利くラップを刻んで息が入る展開だとあと一歩届かないということも十分に考えられるだろう。

次に注意したいのは、昨年12月の香港マイル・6着以来、約5ヶ月の休み明けになるという点だ。昨年の富士Sは約半年の休み明けながら3着、デビュー2戦目の萩Sでも4ヶ月ぶりの実戦で1着に入着しているので休み明けの実績は悪くないが、前走の富士Sでは行き脚がつかず、休み明けの影響もあったように思える。

中間の調教を見ると、3週前は坂路で4F54.6、2週前は坂路で4F51.4-1F11.8、1週前は坂路で4F52.8-1F11.9。今週火曜の追い切りでは坂路で4F71秒3-1F16秒4で流して最終追いに備えて、という具合だ。良くも悪くも目立った動きと時計というわけではない。あくまで本番のこの次なので、仕上げの本気度としてもそこまで上げてきてはいない印象だ。

メンバーレベル的には上位の存在であることは明白だが、次を見据えた仕上げとなる状態で、未知の領域となる1400mをこなして勝ち切ることはできるのか。人気を集めることになりそうな1頭なだけに、慎重な見極めが必要となってくる。