【神戸新聞杯】実績上位のハーツコンチェルト、課題は「右回り」と「スタート」
いよいよ今週は西の菊花賞トライアル「神戸新聞杯」が開催。実績で見れば日本ダービー・3着のハーツコンチェルトが最上位。最も人気を集める1頭となりそうだ。
前走のダービーは後方追走から早めに出して言っての3着。勝負所の機動力では勝ち馬タスティエーラの方が一枚上という印象を受けるが、追われたのは500m地点からだったことを考えると、好位から待って進出していった上位2頭よりは長く良い脚を使えていたと捉えることが出来る。器用なレースが出来るタイプではないが、鋭く長い脚を使うことが出来るタイプなのだろう。
今回13頭立ての少頭数で前走の1・2着馬も不在となれば、競馬もしやすくなるはず。外回りの2400mという条件も器用さの無い部分をある程度は補ってくれるのではないだろうか。
菊花賞の出走権は3着までだが、この実績ながら3勝クラス在籍となっており、賞金面や今後を考えるとに最低限2着はほしいところ。陣営もある程度高い本気度を持って臨むとなれば、やはりこの馬を中心視するのが妥当か。
ただ、実績や戦ってきた相手を考えればハーツコンチェルトで盤石のようにも思えるが、不安材料も少なくない。大きな要素は「右回り」と「スタート」の2点だろう。
2戦続けて東京を使われており、内容・結果からも東京が合うのは間違いない。右回りへ替わる点はあまり良い条件とは言い難いところがある。阪神2000mで行われた若葉Sでは1番人気の期待を裏切る4着に敗れており、中山2000mのホープフルSでは7着と、右回りは不振だ。内回りが合わないという可能性もまだ残ってはいるが、左手前の伸びは他のレースに比べて劣るようにも見える。
そしてスタートの出遅れ癖があるのに加えて、かかり癖もありと難しいところがあるのも難点だ。高速化が目立つ今の阪神の馬場においては厄介となる要素である。いくら少頭数とは言え、この馬場で後方からポジションを押し上げていくとなれば、直線の伸びを欠いてくる可能性も出てくるだろう。先週の阪神開催を見てもまだまだ前目から狙っていきたい雰囲気があり、雨の予報も出てないとなればますます狙いにくい。
これだけの実績馬が高い本気度を持って臨んでくるのだから重い印を打ちたくなるが、若葉Sや東スポ杯を取りこぼしているように、ハマらない場合は圏外も十分ありえる1頭であることも覚えておきたいところだ。