【スプリンターズS】実績上位ナムラクレア、課題は中山コースへの対応

秋のG1シーズン到来を告げる短距離王決定戦「スプリンターズステークス」がいよいよ開催。過去10年で1番人気が5勝と最も評価の高い馬がしっかり勝ち切るケースが目立つ。

今年最も注目を集めるのは重賞4勝の実績が光るスプリンター、ナムラクレアだ。

前走のキーンランドCは着差以上の完勝で、1200mの重賞4勝目を達成。春の高松宮記念では勝ち馬の大駆けに屈したが、G1通用の力は証明済み。短距離王の座に一番近い存在であるのはこの馬で間違いないだろう。

昨年のスプリンターズSでは内が有利な馬場で外を回しての5着敗退。思った以上に重めの馬場で、道中はよどみなく流れてハイペースとなり、脚を削がれた可能性が高そうだ。厳しい流れへの対応力は昨年の函館スプリントSを見ても問題ないと見ているが、やはりある程度の位置取りを取って運んでもらいたい。

ゲートや二の脚が安定していないので取りこぼしの懸念が常につきまとってしまうというのがこの馬の難点か。さらに「枠や展開に左右されるレース」と昨年のレース後に浜中騎手が振り返ったように、同レースは枠や展開に左右されやすいレース。枠次第では評判も下がってくる可能性はあるだろう。

G1になると【0-1-1-3】とあと一歩届かない印象もあり、軸という意味ではこの馬が一番信頼を置けそうだが、頭まであるかと言われるといささか不安になるというファンも少なくないだろう。“中山コースは苦手”という説もファンの間ではまことしやかに囁かれているようで、実際ミッキーアイル産駒は中山の坂で崩れる印象が強い。

このあたりの不安要素を加味しても軸では十分買える1頭ではありそうだが、今年のスプリンターズSはナムラクレアをどこまで信用できるかで、馬券の組み立て方が変わってきそうだ。