F.ミナリク元騎手が死亡、日本でも活躍したドイツの名手

チェコ・プラハ出身の元騎手、フィリップ・ミナリク氏が亡くなったことが明らかになった。5日、現地メディアが報じた。48歳だった。ドイツのメディア「Galopp Online」によると、頸椎負傷の後遺症による自殺だという。

英国メディア「The Sun」によると、ミナリク氏の死亡は同メディアのコラムニストであるM.チャップマン氏のX(旧ツイッター)の投稿で最初に明らかになったという。投稿では「4度ドイツのリーディングに輝いた名手が亡くなった」とコメント。「2020年にマンハイムで恐ろしい転倒をして以来、人生は彼にとって非常に厳しいものだった」と付け加えられた。

ミナリク氏は20年7月3日にドイツのマンハイム競馬場で落馬事故に遭い、長期間の昏睡状態に陥った。その後一命を取り留めたが、騎手としてのキャリアを絶たれた。

引退後、現地メディア「iSport.cz」のインタビューにて、「正直、あれほどの落馬後は元に戻ることは出来ないと感じている。あと20歳若い騎手であれば可能であったかもしれないが、私の年齢では不可能だ。身体的に元に戻れたとしても、精神的な恐怖が襲いかかる。ただ、致命的な転倒ではあったが、後悔はしていない。スポーツというものは私に多くのものを与えてくれた。今その代償を払う時が来たのだ。」とコメントしており、落馬による身体的および精神的な後遺症についても語っていた。

ミナリク氏は日本でも数多く騎乗しており、国内でも馴染みのあった騎手だ。2014年のジャパンCでアイヴァンホウに騎乗するために初来日すると、2018年に初の短期免許で約2か月騎乗し、その後も2019年、2020年と短期免許で度々来日。JRAでは通算29勝を挙げた。

現地ではもちろん、日本のファンや競馬関係者にも愛されたミナリク氏のご冥福をお祈りします。

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