【クイーンエリザベス2世カップ2021】能力のデアリングタクトか?適性のグローリーヴェイズか?

今週25日は、香港競馬の下半期における中距離王者決定戦「クイーンエリザベス2世カップ」が香港のシャティン競馬場で開催。過去10年で3頭の日本馬が勝利しているように、日本馬とは相性の良いレース。今年も出走馬8頭中4頭が日本馬となっており、人気上位を日本馬が占める形となりそうだ。

中でも最も注目を集めるのは、初の海外遠征となる三冠牝馬デアリングタクト。今年初戦の金鯱賞ではクビ差届かず2着に敗れたが、重馬場で前残りの中、上がり2位の36秒1の末脚を使って僅差の2着は始動戦としては上々の内容だろう。

既に現地入りしており、無事に輸送はできたようだが、気になるのはやはり香港馬場の適性。すでに適性の高さを見せているのはもう1頭の日本馬グローリーヴェイズの方で、2019年の香港ヴァーズを制しているように、信頼度としてはこちらの方が上。「前回の遠征時よりも落ち着いている」と陣営もコメントを出しており、能力の高さではなく適性面を重視するならこちらの馬を中心視するのも良いかもしれない。

また、グローリーヴェイズの鞍上はK.ティータン騎手ということでテン乗りになるが、香港ヴァーズも初コンビだったモレイラ騎手で勝っているので、テン乗りでも買える点はグローリーヴェイズの魅力でもある。むしろ現地のコースを知っている騎手とのコンビで挑める点はプラスとも捉えられる。

デアリングタクトも主戦騎手の松山騎手で参戦できる点はプラス。不安点を最小限に抑えた陣営も評価したいところだ。

他にも2019年のオークス馬のラヴズオンリーユー、2017年の菊花賞馬のキセキが香港の祭典を盛り上げる。香港馬には昨年のQE2世Cの勝ち馬エグザルタント、同2着のフローレがいるが、昨年は日本馬の出走がゼロ。三冠牝馬を筆頭に強力な日本馬が参戦する今年は、昨年以上にハイレベルな一戦となりそうだ。