姫路競馬場が7年半ぶりに再開、兵庫県競馬の険しかった再建への道のり

競馬場とは名ばかり、長らく場外馬券売場としてしか機能していなかった姫路競馬場が15日、約7年半ぶりに競馬のレースを再開した。

当日は約3000人のファンが詰めかけ、開門前から300名以上ものファンが列を作り開門の時を待っていた。競馬場へは兵庫県競馬組合から日本中央競馬会に移籍した姫路市出身の岩田康誠騎手もお祝いに駆けつけ、トークショーでは姫路競馬場の魅力や思い出を語り、久々の開催を祝うとともに今後のにぎわいを願った。

姫路競馬場は兵庫県姫路市及び尼崎市の1県2市で組織されている兵庫県競馬組合によって運営されており、園田競馬場と姫路競馬場の2か所の地方競馬は同組合によって主催されている。

姫路競馬場が開催されていた2012年当時は年間3開催の競馬が同競馬場で行われていたが、同じ兵庫県にある園田競馬場と比べて集客が少なかったことや、組合の予算が厳しくなってきたこともあり、2012年9月以降兵庫県競馬の全日程は園田競馬場で開催されていた。

収益悪化から毎年のように存続すべきかどうか議論され廃止の危機に追い込まれていた兵庫県競馬組合だったが、2012年にJRAのインターネット投票システムを導入し、見事にV字回復へと導いた。

2010年には約5億5000万円の赤字に転落していたが、2012年にはフルシーズンでのPAT発売を開始し、ナイター競馬を開始した。ナイター競馬導入に伴い照明設備設置工事などが行われたことで2012年の単年度は約3億円の赤字となったが、翌年2013年には約5億3200万円の黒字に転換し、以降は毎年黒字を続けている。

長らく休止していた姫路競馬場は洪水対策の調節池整備や施設の改修などが行われ、大きく生まれ変わった。場内には25メートルプール400個分の調節池が設けられた他、スタンドの耐震工事や大型映像装置の更新なども施され、非開催期間中でも競馬場を活用できるよう馬場内に人工芝サッカー場も整備された。

一通り工事を終えた組合は、2005年から停止している構成団体への配分金を来年度に再開することを検討しているという。一時は廃止も危ぶまれたが、ここへ来てようやく復活の流れを掴んだ兵庫県競馬。今後の継続した上昇に期待したい。

姫路競馬場のレースは2月6日までの12日間のみ。次回は来年1月ごろになる予定となっている。

参考:園田・姫路競馬場