アイビスサマーダッシュ(2015)の適性から予想。直千のスペシャリストは誰だ?

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アイビスサマーダッシュは特殊なレースである。年間130以上ある重賞レースの中で、唯一コーナーが無い直線だけのレースである。このレースは適性がものを言うレースだ。直線の1000mの適性がある馬、すなわち"直千に強い馬"が勝つのだ。一体どんな馬が直千レースに強いのだろうか考察してみたいと思う。

"直千"の走り方とは?

どんなに強い逃げ馬も先行馬も差し馬も、どこかのタイミングで息を入れる。"息を入れる"というのは、最後のスパートのためにペースを落として力を温存しておくことを言う。息を吸い込むというよりは、脚を休めるという感覚に近い。
人間もスポーツにおいて運動の途中で呼吸を整えたり、力を発揮したい局面の前に力を温存するが、これはサラブレッドにおいても同じである。走りながら力を温存することで最後に強い差し脚を伸ばしたり、先行しても粘ったりすることが出来るのだ。
コーナーがあるレースならそう難しくはないのだが、新潟の1000mは息を入れるタイミングが極端に短いのだ。まずスタートし、いきなりトップスピードに近いスピードで各馬がダッシュする。出遅れなんてした時点でもう終わりだと思っていい。とにかく流れについていかなければ話にならないのだ。しかしスタートからゴールまで通して全力疾走をするなんてことはさすがのサラブレッドでも無理な話である。どんなにスタミナのある馬でもだ。やはりどこかで一息入れる必要があるのだ。どのタイミングで息を入れるのかも重要ではあるが、一番重要なのはトップスピードの状態からすかさず息を入れ、そしてまた瞬時にトップスピードへ戻れる素早さが一番重要だと言えるだろう。

筆者は自慢じゃ無いが学生の頃は陸上部で短距離走では学内で負けなしだった。競馬の1000mは、人間でいうところの200mくらいかな?と勝手に思っているのだが、200mを全力で走っているとどうしてもラストにスピードが落ちてしまう。ラストもうひとスパートかけるぞ!という時なんかは一瞬力を溜めてから最後にスパートをかけている。短距離となると息を入れる時間が短いのでこれがうまく出来る人と出来ない人ではタイムは変わってくるだろう。

馬の話に戻すが、やはり馬もうまく息を入れることが出来る馬がこういう短距離の直線レースでは強みになるだろう。そういった意味で適性がものを言うレースだと言える。

"直千"巧者

セイコーライコウ

昨年のアイビスSDの覇者である。同じ条件である韋駄天S(OP・新潟芝1000m)でも優勝しており、新潟の1000mのスペシャリストと言えるだろう。今年は8歳という年齢に加えて昨年よりも斥量1kgアップとなる。さらに3月には厩舎も変わって色々と不安な点も多いが、夏は得意だし得意の舞台で連覇を狙う。

アースソニック

昨年のアイビスSDでは3着に敗れる。韋駄天Sは昨年3着で今年も3着に入着した。1200mでは凡走が多い馬だが1000mになると途端に馬券に絡んでくるあたりが同レースの適性の高さを物語っている。昨年と同じ斥量で出られ、外枠に入れたことも好条件だ。

フレイムヘイロー

アイビスSDは今年初挑戦となるが、2走前の韋駄天Sを優勝している。韋駄天Sでは初の1000mだったにも関わらずこなしてきたので適性は高いかもしれない。まだ未知数ではあるが、新たな舞台で新境地が開けたとすれば次走のアイビスSDでも好走する可能性はある。