【菊花賞2017】ダービー上位が不在の菊花賞、ルーラーシップ産駒の期待の星“キセキ”が戴冠狙う

3歳馬にとっては未知の距離となるクラシック三冠の最終戦、菊花賞がいよいよ22日(日)に京都競馬場で開催されます。ダービーの1~3着馬が不在で今年は出走メンバーがやや寂しい印象がありますが、混戦ムードで逆にレースの予想の方は面白くなりそうですね。

さて、菊花賞と言えばまず注目したいのが菊花賞トライアルの「神戸新聞杯組」。過去10年の勝ち馬10頭中8頭は前走が神戸新聞杯だった馬で、うち4頭が神戸新聞杯の1着馬でした。神戸新聞杯を勝って菊花賞へ進めてきた馬は必然的に注目を集めるわけですが、今年の勝ち馬レイデオロは秋の最大目標をジャパンカップと夏に発表しており、菊花賞へは参戦しないことが早々に判明しております。ということで、今年は2着馬のキセキと、3着馬のサトノアーサーが人気を集めることになりそうです。

神戸新聞杯で上がり最速だった馬の過去10年の成績が「4-2-0-4」というデータもあり、上がり最速だった馬も注意しておきたいところです。となると、神戸新聞杯で33秒9の上がり最速をマークして2着に入着したキセキは菊花賞でも好走する可能性は高いかもしれませんね。

データばかりで実際の馬の能力とは関係のない話になってしまいましたが、筆者個人としてもキセキは菊花賞へ出るならぜひとも狙ってみたいと思っていた一頭です。夏の中京と新潟で見せた2戦の内容は素晴らしく、とくに2走前の信濃川特別は圧巻の内容でした。直線では半ば過ぎてるのに持ったままで、最後まで鞭を使わず余裕綽々でゴールし、それでいて走破時計も1:56.9秒と、まともに追わずしてコースレコード更新まで0.5秒に迫るという好内容でした。しかし、レース後に同馬を管理する角居調教師は「恐らく菊花賞へは行かないと思います」と中距離路線へ進む事を示唆しており菊花賞へは参戦しない方針を表明。この時点では菊花賞へ向かわない方針だったようですが、最終的には神戸新聞杯から菊花賞へと駒を進めてきてくれたので、やはり同レースへの高い適性を持ち合わせていると見て良いでしょう。

神戸新聞杯ではダービー馬には届きませんでしたが、2400mでも戦えることは十分に示せましたし、今回メンバーの考えれば勝ち負けは必須。夏も使われており決して楽なローテーションではありませんが、過去にはマンハッタンカフェやトーホウジャッカル、オウケンブルースリ、ヒシミラクルといったタフなローテーションで菊花賞を制した馬も多数存在します。彼らと肩を並べるだけの実力があるかどうかはまだわかりませんが、血統だけを見ると期待感溢れる内容となっております。父はルーラーシップ(父キングカメハメハ、母エアグルーヴ)、母はブリッツフィナーレ(父ディープインパクト、母ロンドンブリッジ)という血統で、菊花賞向きの血統とは言い難いですが、まるで日本を代表するようなとっても綺麗な血統です。まだ重賞勝ちを輩出できていないルーラーシップ産駒に、いきなりG1タイトルをプレゼントということも十分ありえるかもしれませんね。