【香港ヴァーズ】キセキ、白癬の症状は軽微。調教も通常メニューこなす

12月10日(日)に香港のシャティン競馬場で開催される「香港ヴァーズ」に出走するため、香港へ遠征中のキセキ(牡3、栗東・角居勝彦厩舎)が、皮膚病により他馬と隔離されていることが分かったのが先日4日。症状は白癬(はくせん)にあたるものとみられ、感染の恐れがあることから隔離措置がとられたもようです。

この白癬という症状はいわば水虫のようなもので、馬だけでなく人に感染する可能性もあるされている非常に伝染性の強い真菌感染症です。

水虫と聞くと「なんだ水虫か」と症状を軽んじてしまうかもしれませんが、香港の現地メディアは「クラブ当局はキセキの白癬の兆候が旅行前の獣医検査書を提出する段階で明らかになったいなかったことについてよく思っていない」と記しており、実際に隔離措置がとられていることからもレース出走に関わる重要なこととして捉えるべき事案であることが分かります。

現地メディアの取材に対して香港ジョッキークラブの獣医を取り締まる統括部長のピーター・カール博士は「馬の走りへの影響は少ない」と前置きしながらも「手綱や胴回りストラップなど、皮膚に直接触れて防御力が低下しているような箇所に現れる傾向があり、感染が広い範囲に及ぶ場合は胴回りストラップなどを付けることが困難になる場合もある」とコメントしております。

非常に伝染性の強い真菌感染症であることは上記でも記しましたが、カール博士はその感染力について以下のような例を述べております。「例えば、馬がスタートする前にゲートに入るが、その際ゲート内に胞子や真菌が付着すれば、その後同じゲートに入った他の馬に伝染る可能性がある。」

馬具がつけれないほど症状が酷かったり、他の馬に感染する可能性が高いくらい広範囲に及んでいる場合は出走は厳しそうですが、キセキの症状そのものは軽微で、4日朝の調教も通常のメニューを消化しており、6日朝は他の海外組とともにAWコースをキャンターで1周半をこなしております。現在は髪のサンプルなどから詳しい検査が行われている状況で、同クラブは今後の決定事項について「適切な時期に発表する」としております。

出走馬は本日7日に発表される予定。キセキの出走を信じ、吉報を待ちたいと思います。