【天皇賞春2022】紅一点メロディーレーン、史上2頭目の牝馬Vへ

JRA最少馬体重優勝記録を持つ小柄な牝馬ということで、その“軽さ”が最大の魅力のメロディーレーン。長距離は軽量馬が有利なことが多いとされているが、実際同馬も3歳時には菊花賞・5着、翌年の阪神大賞典・5着、昨年秋初戦の古都Sは好位から抜け出し快勝と、実際3000m以上のレースで善戦している。

今年の天皇賞(春)は三度目の挑戦となる。初戦の2020年は後方待機のまま11着敗退。二度目の昨年も出遅れから後方待機のまま11着敗退と、似たような負け方で過去2回は敗戦。

前に行くタイプでも無いので後方からの競馬は致し方ないが、長く良い脚を使える馬なので早めに動いていく競馬が求められる。昨年は1000mの通過が59秒8の前が止まらないレコードのレースで、高速決着が得意ではない同馬にとっては厳しい展開だったと言えよう。

タフな流れになるとやはり終いが伸びず、スローペースで上がりが少しかかるくらいの展開がベスト。また、道悪も苦にしないので馬場が渋ってペースが緩む展開も大いに歓迎だ。

気がかりなのは同レースは“牝馬”との相性が非常に悪い点。天皇賞春を勝った牝馬は1953年のレダの1頭のみ。そもそも牝馬は出走自体が少なく、ここ10年では出走167頭のうち牝馬はわずか9頭となっている。ただ、昨年はその僅かな9頭のうち3頭が一気に参戦。うちの1頭、カレンブーケドールが3着に入線し、1964年ぶりに牝馬が馬券に絡むかたちとなった。

牝馬にとって最大の鬼門G1レースとなっていた天皇賞(春)だが、昨年のカレンブーケドール3着でジンクスも崩れつつある。もしメロディーレーンが優勝すれば、約70年ぶりの牝馬V、G1勝利馬の最低体重更新と記録尽くしの勝利となる。

軽やかな走りで2年連続11着からの巻き返しを果たし、記録的な勝利でG1初勝利を飾るのか。紅一点の走りに注目だ。