【オークス2023予想】「厩舎✕騎手✕血統」どれも2400mが不向きの〝危険な人気馬〟とは?

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今年のオークスは桜花賞を制したリバティアイランドの一強ムードが漂っているが、キャリア全4戦が全てマイル戦なだけに、一気の4F延長に対応できるかどうかがカギとなる。

瞬発力、持続力、スタミナなど総合力の高さからこなせる可能性は他馬以上にありそうだが、不安感が拭えないのは“厩舎”の特徴が原因かもしれない。

というのもリバティアイランドが所属する中内田厩舎は、これまでG1で6勝、G2・G3の重賞27勝と順調に実績を積み重ねている状況だが、G1・6勝は全てマイル戦、その他の27勝も全てが2000m以下となっており、マイル以下に良績が集中している。平場においてはそこまで極端な傾向は見られないが、重賞においては「2000m以上は消し」という判断をされてもおかしくないくらいに強い傾向が見られる。

中内田厩舎は2014年に開業した比較的新しい厩舎だが、史上最速となる7年11ヶ月でのJRA通算300勝を果たし、2021年に初のリーディングを獲得。翌2022年もリーディング3位に入り、近年は栗東のリーディング争いの常連となっている。今年も17日時点でJRA競走で23勝を挙げており、JRA調教師リーディングのトップに君臨。

新進気鋭のトレーナーとして早くから注目を集め、トントン拍子に出世街道を歩んできた中内田厩舎だが、短い距離向きになっているのは明らかなだけに、クラシックを意識できる高い能力の馬を持ちながらがそれ相応の結果を出せないのは何とも言えない状況だ。

そしてさらに極めつけが、川田将雅騎手とのコンビという点。昨年は143勝を挙げてリーディング1位に輝き、2019~21年はいずれも2位とこちらもリーディング争いの常連だ。それでも今なお「長距離苦手説」が巷では囁かれており、個人的にも長距離では信頼しきれなくなるというイメージがつきまとう騎手である。

重賞は通算122勝を挙げており、2000mを超える重賞そのうち19勝となっている。川田騎手がデビューした2004年から先週末の開催までの重賞成績を距離別で集計してみると、芝2400mまでの成績は、【101-80-86-522】で勝率12.8%、連対率22.9%、複勝率33.8%と悪くない成績だ。一方、2400mを超える距離は【11-10-14-101】で勝率は8.0%、連対率が15.4%、複勝率が25.7%と一気に下がる。

オークスに限れば【1-2-0-7】で、連対率は30%と悪くないが、馬券圏内に入った3頭は長い距離への適性が高いルーラーシップ産駒のリリーノーブル、万能ディープインパクト産駒のハープスターとジェンティルドンナの3頭だ。リバティアイランドはドゥラメンテ産駒で、同産駒の牡馬はまだある程度長い距離でも好走しているが、牝馬となると短い距離での良績が目立っている。前回リバティアイランドの血統分析でも述べたように、母系は2000m以下に寄った血統背景となっており、母系の血が色濃く出ているなら短い距離への適性の方が高いはずだ。

以上のように、「厩舎」「鞍上」「血統」の3つの観点から見ても、2400mという距離ではさすがに能力上位のリバティアイランドでも、評価を下げざるを得ないと感じる。断然人気に推される可能性が高いここは、慎重な見極めが必要となりそうだ。