中野省吾騎手、夏はマカオで騎乗!南関東への復帰の意思は皆無

2017年度の制裁数が15回を数えたこととその内容を加味されたことで、2018年度からの騎手免許が交付されず、騎手を引退した中野省吾氏が、マカオ競馬のライセンスを取得したことが明らかになった。4日に現地のマカオジョッキークラブが発表した。

中野氏は2009年にデビューし、昨年はJRAワールドオールスタージョッキーズで地方代表騎手として参加し総合7位にランクインするなど、南関東の期待のホープとして注目されていた騎手であったが、制裁回数の多さとその内容から、免許更新が認められなかった。再び南関東の騎手免許を取得するには来年度4月1日付の騎手免許試験に合格しなければならないが、中野氏は復帰の舞台を海外へと移した。

同じく過去に地方競馬で騎手免許が更新されなかった騎手で、度重なる素行不良が原因で騎手免許を失効した御神本訓史騎手がいるが、免許失効後は2年以上厩務員として過ごし、17年3月に約2年半ぶりに騎手に復帰している。

御神本騎手の一件然り、制裁を繰り返した騎手が免許を不合格となるのは騎手に反省させるという意味も込められていると言っていいだろう。個人的に反省させるという行為は本当の解決には向かわない傾向にあると思っているが、中野氏のケースも例外ではない。

競馬ポータルサイトNetkeibaのインタビューで復帰の可能性を問われた中野氏は「ありえないです。もうやる気ないです。戻ってもドキドキしないですもん。御神本さんとは、そこが違う。たぶん、反省させたくてクビにしたと思うんです。地全協からも呼ばれて、『来年はまた受けることができるから、受けろよ』って言われたんですけど、もう無理です。受けないですよって言っちゃいました」と答えている。

来年受けることを推奨した地方競馬全国協会に対して強い反発心を示していることや、復帰した御神本騎手を引き合いに出し、彼と自分は違うということを主張していることからも、「反省させる」という点においては失敗したと言わざるを得ないだろう。

結果として協会は将来が期待されていた騎手を一人失うことになり、中野氏にとっては海外へと挑戦する良いキッカケとなった。

活動の拠点を海外へ移したことが良い方向へ進むかどうかは今後の中野氏次第だと思うが、他馬の頭部をムチで叩く、騎乗停止処分にショックを受けてその後騎乗を全て乗り代わる、調整ルームを抜け出す、といった免許失効の原因ともなったような素行不良が現地でも行われるようなら、再び同じ過ちを繰り返すことになりかねない。今後、同じようなことが起こらないことを願うばかりだ。

今回のライセンスは6月8日からマカオ競馬のシーズン閉幕(8月26日)までとのこと。

参考:マカオジョッキークラブ