【JRA札幌記念2021】ソダシVSラヴズオンリーユー、期待の3歳馬か?覚醒した古馬か?

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サマー2000シリーズ唯一のG2「札幌記念」。“スーパーG2”の異名を持つだけあり、毎年レベルの高いメンバーが集まる夏のビッグレースだ。今年もラヴズオンリーユー、ソダシと世代を越えた強い牝馬がぶつかる注目度の高いレースとなっている。

すでにG1・2勝の実績があり、52kgと斤量面の恩恵も受けれる白毛馬ソダシは、その白毛の美しさからも人気を集めそうだ。前走オークスは1番人気に推されたが、やはりクロフネ産駒には距離が長すぎたか、8着敗退と初黒星を喫する形となった。

前走の敗因については、序盤で外の馬に被せられ1~2コーナーでやや折り合いを欠いてしまったことや、先行勢が全滅する淀みのない流れだったこと、直線ラスト1Fで失速していることから距離がそもそも長かったことなど、様々な憶測が飛び交っている。

何れにせよ、今回は2F短い2000mで、ペースが緩みやすいコース形態の札幌競馬場が舞台、斤量52kgと条件は大きく好転。古馬と初対戦となるが、この条件なら十分巻き返しは可能だろう。

一方、古馬勢の上位人気馬ラヴズオンリーユーは海外遠征帰りで約4ヶ月の休み明け、斤量55kgと決して揃ったとは言い難い条件。2年前のオークスをデビュー4連勝で制したが、その後は2年近く勝つことができずにいた。

しかし、今年2月の京都記念を快勝すると、一気に完全復活ムードへ。翌月3月にドバイへ遠征し、ドバイSCで3着、続く香港のQE2世Cを快勝と近走は国内外で好成績を残しており、今年5歳の牝馬だが、充実のシーズンを送っている。秋は11月6日に米国デルマー競馬場で行われるブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ(G1、芝2200m)を本線に、その後は香港遠征が視野に入っているだけに、ここは弾みをつけて海外転戦へといきたいところだろう。

札幌は初となるが、距離や洋芝適性の高さからも、あっさりこなしてくれる可能性は高い。グローリーヴェイズやデアリングタクト、クロノジェネシスといった猛者たちと差のない競馬をしてきたことを考えると、ここで無様な競馬は見せられない。

ということで今年の札幌記念は白毛初のG1馬ソダシと国内外でG1V2ラヴズオンリーユーの一騎打ちムード。条件的にはソダシが上だが、クロフネ産駒の重賞制覇距離は1800mが最高で、オークスを見る限り、2000mもまだ長い可能性もある。そうなれば、体質も強くなり、ここにきて一気に覚醒してきたラヴズオンリーユーがこれまで闘ってきた相手との力関係を見ても力は上位と見ることもできる。

期待の3歳馬VS覚醒した古馬。どちらに軍配が上がるか、楽しみなレースだ。