今でも忘れられない最強馬はいますか?

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「今まで見てきた中で一番強かった馬、最強馬はなに?」競馬ファンなら、一度はこのワードで盛り上がったことがあるはずです。とはいえ、年代、カテゴリーの違いはもちろんのこと、極論を言ってしまえば「各々の最強馬が同じレースを走ることが絶対にない」わけですから、この馬が一番強い!と言い切ることはできません。突然、目の前に猫型ロボットが現れて、不思議な道具を出してくれるなら話は別ですが。

オールドファンなら、皇帝ルドルフや国民的アイドルホースだったハイセイコー、そして競馬人気に火をつけたオグリキャップ。若い競馬ファンの方ならディープインパクト、オルフェーヴルあたりが最強馬となるのでしょうか。

もちろん上記の馬は記録にも記憶にも残るスーパーホースです。最強馬として名前が挙がるに相応しいラインナップと言えるでしょう。しかし競馬ファンの中には、超A級じゃなくても「実はあの馬は相当強かったんだ!」という、いわゆる心の名馬がいると思います。

私の記憶に残る名馬の一頭が、クラシックステージという馬です。父サンデーサイレンス、母カーペディエムの間に産まれた黒鹿毛の牡馬で、母系を遡れば日本競馬に燦然と輝くスカーレット一族という良血。募集価格6800万円は、ジョイ・レースホース(現ライオンレースホース)1996年度産では断トツのトップ価格であり、その馬名からもかなりの期待を背負っていたことが窺えます。

そんなクラシックステージは、満を持して1998年8月15日の京都競馬場でデビューを迎えます。最終オッズ2番人気は少し意外な感じもしましたが、その新馬戦で1番人気の支持を集めたのがテイエムオペラオーだったわけですから、ある意味納得でしょう。しかし、結果はクラシックステージがテイエムオペラオーに6馬身差(1秒差)をつける圧勝劇。ルドルフのように勝つときも負ける時も微差だったオペラオーにとって、この6馬身が生涯最大着差となったわけです。

新馬圧勝で前途洋洋と思えましたが、2戦目で1番人気4着と躓くと、その後も狂った歯車は再び噛み合うことはなく、32戦3勝と凡庸な成績で引退。当時の私は期待があまりにも大きかったことに加えて、自分の馬の見る目の無さに愕然としましたが、新馬戦で見せた弾むようなフットワークは今でも脳裏を離れません。間違いなく、今でも最強馬の1頭なのです。最後にもう一度。あなたにとっての最強馬はどの馬ですか?