近年落馬が目立つ福永騎手、原因は”フィジカルの弱さ”か?

川田将雅騎手が落馬負傷して、2017年もまたジョッキー受難な年と思われてスタートした今年の競馬。ようやく先週川田が戦列に復帰したかと思えば、今度は福永祐一騎手がきさらぎ賞でスズカメジャーで落馬し、戦線離脱を余儀なくされた。

今年の福永はついていない。東海Sの日は有力馬ピオネロに騎乗予定だったが、インフルエンザで全て乗り替わりとなった。翌週から戦列に復帰したと思えば今度はきさらぎ賞でスタート直後に落馬し、左肘の靱帯(じんたい)などを傷め、G1のフェブラリーSでの騎乗も取りやめとなってしまった。

フェブラリーSで騎乗予定であったカフジテイク(牡5歳、栗東・湯窪幸雄厩舎)は前哨戦の根岸Sで直線一気を決めて優勝した快速馬。かなり良い馬に騎乗予定だっただけに福永にとっては頭の痛い問題だ。代打騎乗した騎手がそのまま騎乗するケースも考えられる故に、ジョッキーにとって負傷における乗り替わりは死活問題だ。

今年は先週までで14勝。リーディングの田辺裕信騎手とは2勝差とリーディングジョッキー争いに加わっていただけにこの離脱は痛い。

福永騎手の落馬の原因は”フィジカルの弱さ”?

ジョッキーに落馬はつきものだか、ここ1,2年は福永の落馬がとくに目立つ。騎手に限らず、スポーツにおいて怪我が多い選手というのは十分なトレーニングをしていない人に多い傾向がある。概ねフィジカル(身体的な能力)かプレースタイル(騎手の場合は騎乗スタイル)が原因だと思われるが、彼についてはやはりフィジカルの面が大きな原因ではないかと思う。

恵比寿にあるトレーニングスタジオ「VIDO」のフィジカルトレーナー・山坂元一氏は福永騎手のメイントレーナーだ。山坂が初めて福永の体をチェックした際、「新橋のサラリーマンが馬に乗っている状態」、「とてもアスリートの体とは思えない」とまで酷評した。このことは福永自身が某競馬ポータルサイトで執筆する自身のコラムで語っている。

フィジカル面において評価できる騎手としては、内田博幸騎手や岩田康誠騎手、あとは引退しているが藤田伸二騎手などがあげられるが、確かに彼らは落馬が少ない。昨年60歳を超えた地方の的場文男騎手も、調整ルームでは筋トレとエアロバイクを欠かさないという努力家だ。彼もやはり落馬が少ない騎手である。

一方の福永騎手はというと、騎乗スタイルについては申し分ない技術を持っているが、フィジカルは「新橋のサラリーマン並み」。プロアスリートたちはフィジカルトレーニングにおいても競技力向上の為に様々な工夫を行っている者が多いが、これだけ落馬が多い騎手ならフィジカルトレーニングも改善することができる点は多くあるのではないだろうか。

復帰時期については現段階では未定だが、この機会にフィジカル面の向上を図ってもらえれば、より買いやすい騎手になってくれるのではないだろうか。