【天皇賞・春2017予想】大物食いの気配漂うタフなオールラウンダー、レインボーライン

GⅠに昇格した大阪杯をキタサンブラック、阪神大賞典をサトノダイヤモンドが共に完勝。前哨戦を2強がキッチリ仕留めたことで、より2強ムードが鮮明になってきた今年の天皇賞・春。この2強を撃破するのは至難の業かもしれないが、2強の一角、サトノダイヤモンドが制した菊花賞で2着となったレインボーライン(牡4 栗東・浅見)に大物食いのムードが漂っている。

早期の北海道でのデビュー戦から一貫して1800m以下のレースを使われてきた同馬であるが、初のクラシックディスタンスとなった日本ダービーで8着とまずまずの走りを見せた。勝ったマカヒキからは離されたが、エアスピネル(4着)やリオンディーズ(5着)といった有力馬に対して肉薄するレースぶりだった。単勝オッズ150倍ということを考えれば、好走と表現してもおかしくない。

距離延長に活路を見出し、父ステイゴールドという比較的成長力のある要素からも秋は面白い存在となるだろうと考えてはいたが、陣営が選んだのは札幌記念への出走だった。世界最強マイラーの呼び声高かったモーリスを始め、歴戦の古馬が揃い並の三歳馬ならばあえなく惨敗したであろうこのレースでレインボーラインはモーリスとクビ差の3着に入選する。陣営が札幌記念で2000mを使ってきたことから、秋は中距離路線へ進むとも考えられたが、ぶっつけで菊花賞に参戦しここでもサトノダイヤモンドの2着に好走する。

続くジャパンカップ、今年初戦の日経賞はペースの妙で敗退したが、共にそれ程大きくは負けていない。何より、札幌記念で一気の相手強化、ダービー・菊花賞での距離延長とそれぞれでパフォーマンスを上げていることから、今回の前哨戦である日経賞での敗退は、天皇賞春に向けた良い布石と考えられるのではないか。

普通の馬であれば距離延長・相手強化となると厳しいことになる場合が多いものの、レインボーラインの場合はパフォーマンスを上げる可能性が大きい。勝ちに繋がっていないことからアタマまで、とは言い切れないが、2強の間に割り込む可能性は決して少なくはないのでないか。