【有馬記念2016】有馬記念の売上は立派な景気指標?

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有馬記念は一年の中で最も売上が高いレースです。昨年の売上は約416億円で、二番目に高い日本ダービーの約240億を176億円も上回る段違いの売上となっております。

一年最期のG1レースということで、普段から競馬をしない人も有馬記念だけは買うといった人も多いでしょう。出走馬はファン投票によって決められ、普段は公開されない枠順の抽選もテレビで公開抽選会が行われます。このように、普段から競馬を楽しむコアなファンからしても有馬記念は特別感の強いレース。売上が他のG1レースと比べて軍を抜いているのもこの特殊さ故かもしれません。

もっと言えば、日本の競馬自体が特殊です。もともと欧州では競馬は上流階級の人がたしなむ高貴な娯楽とされておりますが、日本ではどちらかと言うと公営ギャンブルとして誰でも気軽に馬券を買って楽しめる庶民の娯楽というイメージが強いです。競馬の持つイメージの違いもそうですが、何より驚くのが馬券の売上の額の違いです。

JRAの2015年の売得金を調べてみると、その額なんと2兆5833億9186万9800円!これは世界的に60〜70位くらいの小国の国家予算並みです。世界中を見てもこれだけ馬券が買われている国は他にありません。

「競馬」と「景気」の関係性について

「JRAの馬券売上は、景気を判断する材料になるかもしれない」

莫大な馬券売上を見た時に筆者はそう思いました。JRAは事実上の国営でありますから、庶民の可処分所得の増減、つまりは日本の景気によって、売上は大きく左右されると言って良いのではないでしょうか。

バブル景気との相乗効果が要因とされる第二次競馬ブームなどは良い例だと思います。日経平均株価のピークだった1989年末から日本の公示地価のピークだった1991年頃はちょうど武豊とオグリキャップが社会現象を起こすほど活躍していた時期。オグリキャップの引退レースとなる1990年の第35回有馬記念では入賞者数が約17万人を超え、中山競馬場の最高入場者数記録となりました。サラリーマンの平均年収が過去最高額の467万円を記録した1997年は、奇しくもJRAの馬券売上高が4兆円を超えピークを迎えた年という共通点もあります。景気が良ければ競馬も盛り上がっていることがよくわかりますね。

逆に景気が悪くなれば競馬も盛り下がっていきます。ITバブル崩壊や、米国の景気後退により企業のリストラが本格化し始めた2000年頃からJRAの馬券売上高が漸減していますし、近年だと東日本大震災があった2011年にはJRAが54年ぶりに赤字となったニュースなども記憶に新しいですね。このようなことから、景気と馬券の売上は密接な関係があると考えられます。

現在の景気状況はどうなっているのか?競馬の売上から探ってみた

それでは今現在はどうでしょう?競馬業界の状態から日本の景気を探っていきたいと思います。

昨年の有馬記念の売上は416億1,774万9,800円で前年比107.2%、入場人員は12万7281人で同109.8%と大盛況。JRAの2015年の年間売上は上記でも記した通り約2.5兆円で、これは前年比103.6%、総入場人員も631万7073人で同102.8%とこちらもプラス。発売金は4年連続で増加となりました。近年は競馬場の大幅リニューアルや、女性専用のスペース「UMAJOスポット」を設けてターゲット層拡大を狙ったりするなど積極的な投資が目立っていますね。

全体的にここ数年は競馬が非常に盛り上がっている印象があります。JRAは広告に大物芸能人を起用したり、人気アニメや人気映画とのコラボ、街に特設イベントブースをオープンさせたりするなど、お金をかけているのがわかります。日本の景気が競馬の売上に密接な関係があるなら、日本の景気も今盛り上がっていると考えて良いかもしれませんね。

そんな中で一番売上を稼ぎ出すレース有馬記念は立派な景気指標の1つと言えるのではないでしょうか。有馬記念の売上が減少し始めたら、それは今後景気が悪くなっていく兆しかもしれませんね?なんとか皆で競馬を、いえ、日本の景気を盛り上げていきたいところです。日本の景気を良くする為に我々一般庶民で景気を作っていこうではありませんか!何かできることは無いかとお悩みのあなた、まずは有馬記念を買うことから始めてみませんか?