【有馬記念2016予想】アルバート、2年連続ステイヤーズS勝利から挑む勝算は
過去の勝利重賞が2年連続のステイヤーズステークスと、長距離を得意とするアルバート(牡5・堀宣行・美浦)が、今年も有馬記念への出走を決めた。
昨年のステイヤーズSに勝利をするまでは、重賞への出走が3歳時1月の京成杯8着のみという、比較的遅咲きな実績になっている。
先ほども触れたように、ステイヤーズSを勝利してからの参戦は昨年と同じような流れだが、昨年の有馬記念では7番人気11着という人気以下の残念な結果となっている。今年もにたような結果になるのではないかと思えのだが、昨年とは全く違うと断言できる要因も多いのが今年の特徴だ。
今年と昨年の臨戦過程の違い
今年のステイヤーズSも昨年同様に1番人気で、レースの展開も比較的中盤やや後方からの強い勝ち方を見せたが、同じ一番人気でも昨年は単勝3.2倍であったのに対して、今年は1.3倍と評価は着実に上ってきている。通常であればレース展開や不利の危険性もある差しでの競馬は難しいが、特にかかることもなく淡々とレースを運んだ。これは名手ムーアの実力とも思われるが、今年は昨年とは違い、2016年は全て重賞に出走している事から明らかに強い相手との対戦を経験している中での落ち着いたレース展開を身に付けているともいえる。
特に前々走のアルゼンチン共和国杯では、直線の長い東京コース、決して有利なコース取りとはいえなかった中で差しての2着は実力があってこそなせる結果。もちろんあくまでも有馬記念ともなれば、更にランクアップしたメンバーとの戦いになるので、同様のレースができる保証などどこにもないが、4連勝で迎えた昨年よりも勢いはないように見られがちだが、力はつけてきてる。
昨年の有馬記念と連続勝利をしたステイヤーズSの大きな違いは、相手馬の強化だけではなく、コース取りの違いも大きいと思われる。どちらのレースでも展開的には道中を中団やや後方で落ち着いた形で、残り600mあたりから追い込んでくるスタイルだった。ステイヤーズSでは、比較的距離の有利な内側を選び、馬群を抜けてくるレースだったのだが、有馬記念では騎手の違いからか、大舞台での不利を避けるためなのかは不明だが、大きく外を通っての最終直線になっている。前々走のアルゼンチン共和国杯の最終直線は実力のしっかりでる東京で、あれだけ混戦の状況からでも伸びる脚を持っているのだから、外をまわるのではなく今回は内をついてくる事ができれば、結果も違ってくるのではないだろうかとも思える。
おそらくかかる心配も少ない馬だけに、しっかりと自分の競馬を行い最終コーナーでインを付けば、実力上位馬との差もさほどなくなると思える差し脚を持っている。8枠15番とかなり外からの発走となり、コース取りは非常に難しくなったが、アルバートの昨年とは違う、今年の集大成をここでみせてくれることを期待したい。