ビッグアーサー意味ある敗戦の一方、わけのわからない敗戦をした三冠馬
今年連勝が止まった馬に日本馬ではビッグアーサーがいます。
短距離で破竹の5連勝。このまま戴冠まで一直線かと思った北九州記念では、クラシックでも人気を背負った同じ父を持つベルカントに一蹴されました。
ベルカントは武豊騎手が手の内に入れて数年。かつ、アイビスサマーダッシュ勝利により勢いもついていた馬。"夏は牝馬"、"格より調子"とはよくいったものですが、そのままの結果になりました。
とはいえ、差す競馬で馬群の中から抜け出すという味のある競馬での2着。悲観材料は何一つありませんし、むしろこの経験、かつ本賞金加算があとあと生きてくることでしょう。
異国の地に目を向けてみるとアメリカではアメリカンファラオが3冠を達成し、秋まで休養かと思いきや夏もガンガン走っています。
8/2 ハスケル招待Hを2番手追走から押し切りまずは連勝継続。次こそ夏休みかと思いきや、まだまだ休みはもらえない中、8/29のトラヴァーズSへと出走。
ここで、落とし穴が待っていました。前走で負かした相手・キーンアイスに今度は差しきられる敗戦。とはいえ、実は前走のハスケル招待Hに伏線はすでにありました。
勝ったとはいえ、キーンアイスとの着差はわずか、しかも2番手追走から楽な手ごたえで抜け出したにも関わらず。
この時点で、ひょっとしたら3冠走りぬいたこともあり本調子じゃないのかも?キーンアイスも力をつけてきているのではないか?ということに気づくべきだったかもしれません。
そして今回はまさかのハナを切ったあとに競りかけられる厳しい展開。
予定していたハナではなかっただけに、誤算も誤算。ヨーロッパならペースメーカーを用意していたところかもしれません。圧倒的1番人気の宿命とはいえ、前走でどうにかしのいだ相手が虎視眈々と末脚勝負で待機していた状態。今回は甘くありませんでした。
勝ったキーンアイスも同じ3歳馬だったことも手痛い。古馬に負けたのならまだ言い訳もあるでしょうが、これは痛いですね。
そもそもアメリカンファラオの本番はこんなところではなくブリーダーズカップのはず。そこから逆算したローテを組んであげるのが陣営の役目ではないかと私は思います。なぜ夏に2走させたのかは陣営のみぞ知るところですが、前述のビッグアーサーとは違い、この敗戦は痛い。
本賞金加算は不要の3冠馬。タラレバにはなりますが連勝のまま引退していれば種付け料も高騰していたはずもキーンアイスと同水準に見られることになり、万一このままガス欠で秋競馬も敗退を続けるようだと、引退後の種牡馬入りまで心配になってしまいます。