JRAジャパンC(2021)の狙い目は外国馬?ブルーム✕R.ムーア、16年ぶりの外国馬Vへ虎視眈々
今年のジャパンCは3頭の外国馬が参戦。外国馬の参戦が少なかった近年のジャパンCだったが、今年は久しぶりに国際色豊かなレースとなりそうだ。
中でも筆者が注目しているのはアイルランドの伯楽A.オブライエン調教師が送り込むブルーム(牡5)だ。今年の秋初戦はフランスのフォワ賞(2着)、凱旋門賞(11着)、アメリカンのBCターフ(2着)という成績。夏はサンクルー大賞を逃げ切りG1初勝利を達成し、前走のBCターフは中団追走から伸びて2着に好走と、自在な脚質が魅力だ。逃げ馬候補の1頭しても注目したい。
2度の遠征を挟んでの秋4戦目と、欧州らしい過酷なローテーションで参戦。さすがに疲れが懸念だが、この馬の戦績を見るとそこまで問題視しなくても良さそうだ。東京の2400mを逃げ切るのは至難の業だが、上記でも記したように、控える競馬もできるのがこの馬の魅力。
“世界一馬場が堅い競馬場”と謳われるアメリカのデルマー競馬場で行われたBCターフでは、3コーナーからまくる競馬で先頭に立つと、完全に抜け出して押し切る勢いを見せての2着。ゴール寸前に惜しくも勝ち馬のユビアーに交わされたものの、6つの急コーナーと直線が短いことを勘案すると、走破時計の2:26.0はかなり速い時計と言える。瞬発力とコーナーから加速できる脚力は魅力で、東京の馬場も合いそうだ。
また、父母は2006年のジャパンCで3着に好走した実績があるウィジャボード、父の父ガリレオも1993年に参戦(8着)した凱旋門賞馬アーバンシーの子と、血統面の後押しも十分。欧州型洋芝血統と日本型芝血統の掛け合わせは期待したくなる血統で、デルマーでの好走ぶりを見ても高い適性が見込めそうだ。
そして鞍上はR.ムーア騎手。2013年のジャパンCをジェンティルドンナで快勝し、2015年は7番人気のラストインパクトを2着に持ってくる手腕の持ち主だ。既に日本競馬の特性を知り尽くしている外国人騎手故、侮ることはできないだろう。
外国馬にとって日本の高速馬場への適性のなさが浮き彫りになっているが、ブルームとムーア騎手の日本の競馬場への高い適性なら、克服してくれる可能性は十分。16年ぶりの外国馬Vを果たしてくれるかに注目だ。