【日本ダービー予想2017】福永18度目のダービー挑戦、今年こそ悲願達成なるか?

競馬はブラッドスポーツとはよく言うが、これは競走馬の血統と能力は密接な関連を有していると考えられてきたことから言われるようになったとされている。しかし、この言葉は決して競走馬にだけ適用される言葉ではない。人にも同じことが言えるのだ。

そのことを強く意識させてくれる存在として、2名の騎手があげられる。1人は名手武豊、そしてもう1人がその後を追いかける福永祐一である。2人は共に名手を父に持つ二世騎手である。競馬を楽しむ者なら誰しもが聞いたことのある名前ではないだろうか。

父が名手ということでこの2人はデビュー時から注目を集めてきたが、その注目以上の成績を残してきた優秀な騎手らである。しかしこの2騎手、父の代からして対照的なものがある。それは日本ダービー制覇という勲章である。

ダービー制覇に縁が無い福永家、福永祐一18度目の挑戦で今年こそ悲願のダービー制覇なるか?!

武家は父子で6勝(父1勝子5勝)という圧巻ぶりを披露する一方で、福永家は未だに0勝である。「天才」と称された父洋一も、7度の挑戦でもダービージョッキーの称号をなし得なかった。息子の祐一は、今年で18度目となる挑戦で悲願のダービー制覇を狙う。

不思議なほど日本ダービーとは縁の無い福永家。菊花賞、天皇賞などは父子制覇を果たしているが、この日本ダービーだけは父子共に制していない。とは言え、父洋一は1978年に開催された第45回の日本ダービーで9番人気のカンパーリを3着に持ってくるなど健闘しており、息子の祐一も2013年の3番人気のエピファネイアを2着に持ってきており、あと一歩というところまでは来ているのだ。

そんな福永家に今年は千載一遇のチャンスが訪れた。今年2017年は弥生賞勝ち馬であるカデナという良馬で挑戦できるからである。皐月賞こそ不利があって9着に敗れてしまったが、元々弥生賞と皐月賞はあまりリンクしないレースなのでここを参考外と見ても良さそうではある。

弥生賞の方がダービーへリンクしやすいという不思議な性質を持っているし、昨年のダービー馬マカヒキも弥生賞を優勝しており、さらに血統も同じディープインパクト✕フレンチデピュティ産駒という点も魅力。皐月賞は3着に敗れたが、その後にキッチリと立て直して日本ダービーを制している。

少し古くなるが、2009年弥生賞馬であるロジユニヴァースも皐月賞14着大敗から巻き返してダービー馬に輝いている。このように、弥生賞馬は皐月賞の戦績を無視してでも押さえなければならない存在とも見て取れる。

ちなみに、血統構成を見ても東京芝2400mにバッチリの適性を持っている。父ディープインパクト、母父フレンチデピュティはマカヒキを含む2頭のG1馬を輩出しており、そのいずれもが東京芝2400mを制している。

以上のように、臨戦過程や血統背景を考慮すればカデナは決して無視することのできない存在であることが分かるだろう。否、今回のダービーの主役であると言っても良いだろう。この馬こそ、福永家積年の想いを結実させることのできる馬である可能性が非常に高い。ダービーの歴史に「福永」の名前を刻むのは、今は息子の祐一しかいない。今年の日本ダービーは、馬だけではなく、人のブラッドスポーツも注目してみてはいかがだろうか?