【ジャパンC予想2022】問題は〝状態面〟のみ?日本馬唯一の3歳ダノンベルーガに注目
天皇賞・秋を制したイクイノックス、マイルCSを制したセリフォスなど、レベルの高さを示している今年の3歳世代。今回のジャパンCにただ1頭参戦する日本馬で唯一の3歳世代が、ダノンベルーガだ。
重賞初挑戦となった今年初戦の共同通信杯は、スローの決め手勝負を見事メンバー上がり最速33秒7の脚で差し切り快勝。この時の2着馬は次走の皐月賞を勝つジオグリフ、3着も後にスプリングSを逃げ切るビーアストニッシドで、ハイレベルな面々を相手を降す好内容の競馬を展開した。
それだけに、皐月賞・ダービーといずれも4着に敗れた結果には肩透かしを食らったというファンも少なくなかろう。とは言え、皐月賞は最内スタートから終始荒れた馬場を走らされての4着。1番人気に推されたダービーも厳しくマークされる立場で、直線入り口では前が壁になり外へ出すため進路変更を余儀なくされる競馬。スムーズな加速をしたいハーツクライ産駒にとってこのロスは致命的であった。
仕切り直しで臨んだ前走の天皇賞・秋は、逃げ馬パンサラッサが大逃げを仕掛ける展開の中、上がり32秒8で猛追し0秒2差の3着に好走。この上がりをさらに上回る32秒7の脚を使って差し切った勝ち馬イクイノックスの競馬が凄すぎただけで、インを捌いて良い脚を使ったダノンベルーガも強い競馬をしていたのは誰もが認めるところだろう。
実力については言わずもがな、体型や走法からして距離は問題なし、不安材料の少ない1頭だ。おそらくこの馬の問題は〝状態面〟のみというのが筆者の見立てだ。前走後は在厩で調整され、今月6日には坂路に入って調整開始。徐々に調教のピッチも上がっていき、1週前の追い切りではウッドの3頭併せを行い、最後方からリズム良くギアを上げていき、5F67.8-3F36.6-1F11.4をマークし併入。馬なりながらも無理せず時計は出せており、高い集中力を持って追い切りを消化できている印象を受けた。
中3週で使ったその後のダメージが心配だったが、体調維持については現状では順調そのもの。前走の時点でもかなり状態面の良さが際立っていたが、引き続き好調キープなら問題ないだろう。斤量も前走から1kg減の55kgと好転する条件もある。直近のG1・3戦は4、4、3着と常に上位争いを演じてきた未完の大器で、花開く余地を十分に残している遅咲きのハーツクライ産駒への期待度はまだまだ高い。並み居る強豪古馬や海外勢を打ち破り、待望のG1初戴冠となるかに注目したい。