【有馬記念2017予想】引退する横綱に引導を渡すのは若者の役目か?
いよいよ今週は有馬記念が開催されます。今年の開催はクリスマスイブ、カレンダーのめぐり合わせとは言え、競馬界のサンタさんは誰にでも微笑んでくれるわけではありません。何とかプレゼントを届けてくれる馬を探したいところです。
今年の漢字選出のきっかけともなったキタサンブラックの引退レースということで、高確率で一番人気に推されることでしょう。ところが、有馬記念に限って言えば鞍上の武豊騎手というのが非常に悩ましいところ。本人自身も武豊TVなどで語っているように、有馬記念はとにかく2着の多いレースです。
ディープインパクトの引退レースや、同じく引退レースだったオグリキャップの復活Vが強烈な印象を残していますが、ディープインパクトの1度目の有馬記念ではハーツクライに半馬身差届かず、メジロマックイーンではダイユウサクに差されたり、武豊騎乗ということで1番人気を背負いがちなのは仕方ないまでも、生涯戦績で2着率38.5%に対し勝率7.7%は全体成績と比べても少々心許ない数字。生憎なことに昨年もキタサンブラックでサトノダイヤモンドに差されて2着に終わっています。
今年はサトノダイヤモンドもいませんし、前走ジャパンカップでG1初制覇を果たしたシュヴァルグランもアベレージで言えばまだまだキタサンブラックに軍配があがるといったところかもしれませんが、それでもやはり人気とデータを照らし合わせるなら頭は違う馬から選ぶほうが賢明かもしれません。
特に鞍上のデータでキタサンブラックを嫌うということであれば、今年G1戦線で最も活躍した男M.デムーロに着目したいです。一昨年の朝日杯FSでは、武豊騎手のG1完全制覇ほぼ当確といった状況だったエアスピネルに待ったをかけたのがリオンディーズとM.デムーロ騎手でした。2017年の日本の顔の一端を担うキタサンブラックの有終の美を飾る有馬記念に引導を渡すのは、勝ちに執着し「最も空気を読まない」この騎手が相応しいのではないでしょうか。
相棒に選んだのは重賞戦線でも猛威を奮う今年の3歳世代からスワーヴリチャード。アルゼンチン共和国杯からの直行は一昨年のゴールドアクターと同じローテーションになります。血統背景からは菊花賞もこなせそうなだけに、ダービー2着馬が古馬相手のG2を選択したのは意外でしたが見事に優勝を果たしました。
中山コースは唯一連対を外し6着に負けた鬼門のコースとも言えますが、出走もその一度のみなので半年前から成長分も見込みたいところ。ハーツクライ産駒が世代を経てディープインパクトの甥っ子と武豊騎手の前に立ちはだかるか。泣いても笑ってもキタサンブラックにとっては引退戦、世代交代を告げる一戦となるか伝説を残していくか、今年も例に漏れず目の離せないレースとなります。