【JRA函館スプリントS予想2023】ブトンドールの2つの〝危険サイン〟とは?

今週はいよいよ夏の到来を告げるスプリント重賞「函館スプリントステークス」が開催。昨年は1番人気のナムラクレアが好位から抜け出す正攻法の競馬で2馬身半差をつけて快勝。見事な勝ちっぷりだったが、3歳牝馬で50kgの軽い負担重量の恩恵は大きかったとも言えよう。

そして今年も同じ3歳牝馬が人気の中心となりそうだ。その馬は、前走桜花賞・9着から参戦するブトンドールだ。

2走前のフィリーズレビュー・6着、3走前の阪神JF・10着と近走は案外な結果に敗れているが、前進気勢の強い気性の持ち主で、折り合いに苦労するところが多々見られた。いずれも適距離の舞台ではなかったと見てよいだろう。

デビュー2戦目の函館2歳Sを快勝し、続くファンタジーSも2着に好走しており、もともと短距離路線で活躍していた同馬。ピッチ走法で小回りのスプリントは絶好の条件、函館コースもデビュー戦と函館2歳S勝ちの2戦2勝と好相性、さらに52kgの斤量とくれば巻き返しは必至と思える。

ここはブトンドール中心で間違いないように思えるが、果たしてそこまで盤石だろうか?まず気がかりなのは“世代レベル”だ。デビュー戦と函館2歳Sで負かした相手はその後ほとんど勝ちきれておらず、前走の桜花賞でも16番人気と評価は低かった。重賞馬のトウシンマカオやウォーターナビレラらを相手に勝ちきれるかどうか。どこまで成長しているかがカギとなりそうだ。

もう一点、当日の“馬場”も懸念材料だ。開幕週の馬場ということで、前が止まらず差し届かない競馬となる可能性も十分考えられる。良馬場なら他馬にアドバンテージが生まれそうだ。これまで後方からの競馬がほとんどだったブトンドールだが、前走の桜花賞では6番手と前まで出してきたのは好感が持てる。後ろ過ぎると届かない可能性があるが、前走のように前目の位置取りを意識した競馬が展開できれば、見せ場は作れるかもしれない。

コース、距離、斤量と条件は絶好だが、成長性が低い中で後方過ぎる競馬となれば好条件を活かせないまま敗退という可能性もあるだろう。追い切りや当日の馬場はしっかりと注視しておく必要がありそうだ。