中山記念(G2)有力馬情報・ドゥラメンテ
2015年のクラシック戦線を大いに賑わし、皐月賞(G1)・日本ダービー(G1)を制した2冠馬・ドゥラメンテが、伝統の中山記念(G2)で復帰戦を迎える。
両前脚のトウ骨の骨折が、オーナーサイドから発表されたのが、去年の6月27日。美浦トレセンに帰厩したのが、今年の1月19日だから、本格的な稽古ができるまでに、半年以上かかっている。更に、今週の競馬が、前走・日本ダービーから約9ヶ月ぶり。通常であれば、非常に難しい復帰戦となる。
と、いうよりも、厩舎スタッフの橋本助手も、寒い時期で骨折明けのため、慎重にならざるをえない部分があり調教は遅れていると言っているあたり、やはり、この厳寒期の復帰戦に向けての稽古というのは難しい部分もあるのだろう。これだけの馬だからプレッシャーも相当なものであると感じる。
1週前の調教で比較できそうなのが、皐月賞前のタイム。皐月賞1週前追い切りのタイムが、【美浦W・84.4-68.7-53.5-38.4-12.9】。それに対し、今週の中山記念1週前追い切りは、【美浦W・82.6-67.7-53.8-39.4-12.8】
皐月賞時のタイムは、あまり負荷をかけていない中でのタイムであり、今回は、ビッシリと長めから追われた。稽古の動きだけ見れば、問題はなさそうに思えるが、やっぱり、調教と生のレースは違う部分もあるという点を考慮しておくべきだろう。動ける状態にはなっていると感じる。
馬体重は先週の火曜日の時点で517キロ。前走のダービーは484キロである。単純比較では、前走からプラス33キロ。当然、これは、1週前の段階での馬体重であるため、あくまでも参考程度にしかならないが、おそらく休み明けの重め残りと、成長分の両方が混じっている。
明け4歳で通常であれば、成長著しい年齢でもある。今週の中山とのコース相性は皐月賞で証明済み。狂気じみた勝ち方をした馬だけに持っている能力は現役でもトップクラスだと感じる。
ちょうど20年前の1996年の中山記念を勝ったサクラローレルと状況としてはよく似ている。サクラローレルも、この中山記念が1年ぶりの復帰戦だった。両前脚の骨折で一時は安楽死処分も検討されたほどの重症を負いながらも、この中山記念を勝利で飾り、次走の天皇賞・春(G1)で、ナリタブライアン・マヤノトップガンといった強豪を破り、G1初制覇を決めた。
この他にも、ケガではないが、13年・天皇賞・秋(G1)を圧勝した、ジャスタウェイなどは、14年の中山記念を復帰戦に選択して快勝。次走のドバイでも圧倒的な強さを見せ、世界一の称号を得るまでになった。
本当に強い名馬に休養明けは関係ないということを過去の先輩達が示してくれている。当然、競馬に出すほうも、見るほうも不安のほうが大きいと感じるが、まずは、無事に復帰戦を終えることを願いたいところだ。