【中山記念2016回顧】休養明けの好走目立ち、叩きニ走目に期待

2/27(日)のメインレース中山記念。それに対し9レースに同じ1800mで行われた富里特別(4歳以上1000万下)が、前半1000メートル・61.5のペースで流れ、勝ち時計が、1:48.6。一方メインの中山記念(G2)は、前半1000メートル・59.4であり、勝ったドゥラメンテのタイムが、1:45.9。文句なしの一流馬が叩き出す時計であった。過去10年では、最も速い中山記念の勝ち時計である。

勝ったドゥラメンテの折り合いに関しては、道中直後にいたリアルスティールのほうがついていたように見えた。それでも若干行きたがるような素ぶりを見せつつも、許容範囲内ではあったと思う。これはもう約9ヶ月ぶりの実戦であるから仕方がない。

4コーナー付近で、前との差を徐々に詰めると、直線では危なげなく抜け出してきた。坂を上がりきってからは、アンビシャスに詰め寄られはしたが、最後まで先頭を譲ることなく復帰戦を勝利で飾った。堂々の早め先頭からの押し切りで王道の勝ち方。着差以上に強いドゥラメンテを見せてくれたのではないだろうか。

心配は、久々の競馬でこの速いタイムで走った後に反動が出ないかだけである。息遣いなどは、間違いなく良化してくるだろうから、今後は、もっと突き放す競馬ができるようになる可能性は秘めている。まず2016年の初戦を1着という最高のスタートをきってくれた。今年も楽しみである。

それにしても、堀厩舎。マイルチャンピオンシップ(G1)を、安田記念以来の競馬で勝ったモーリスなど休養明けの馬を仕上げるのが本当に上手だ。厩舎自体も好調なため、今後も注目してみたい。

2着のアンビシャスも最高の競馬。折り合いも抜群、仕掛けも抜群で、これで負けたら悔いなしという競馬をしてくれた。ドゥラメンテの休養明けばかりがクローズアップされていたが、アンビシャスも昨年の天皇賞・秋(G1)以来の4ヶ月ぶりの実戦。次走も期待大である。

3着・リアルスティールも、菊花賞(G1)以来の休み明け。折り合いが完璧についていた。一瞬の切れに賭ける面があり、坂下では、ドゥラメンテに一度突き放されかけたが、坂を上がってからはこの馬の最大長所である長く使える末脚を武器にまた差を詰めている。

決め手に欠ける面はあるが、今後もこの安定性に期待。一度、他の馬より、早めに仕掛ける競馬を試してほしい願望があるが、当然この馬も今年は注目していきたい。

4着・フルーキーも人気はなかったが、2走前にチャレンジカップ(G3)を勝っている。3歳時には菊花賞6着の実績がある馬。重賞でも通用するレベルにはある。ローテーションも順調に使われている組であり、この点も好走の要因となっただろう。

9着に敗れたイスラボニータ。直線でも全く抵抗できずにズルズル後退。1コーナーで蛯名騎手が少し手綱を引く面があり、道中もかかるまではいかないものの、少しムキになって走っていたイメージが見受けられた。明け5歳のシーズン。

昨年で燃え尽きたのかは次走以降にならないとわからない部分が大きいが、安定性がセールスポイントのこの馬にしては少し首をひねりたくなる競馬であった。

出走馬11頭中半数以上が休み明けであったため、この日のレースで負けた馬たちも叩いた次走に注目してみたい。