【阪神大賞典2019予想】血統の壁を乗り越えられるか、ロードヴァンドール

古くはナリタブライアン対マヤノトップガンのマッチレースなど平成の名勝負としても上位にランキングされるようなレースを多数演出してきたのが今週の阪神メインレースで開催の阪神大賞典です。春の天皇賞に向けた強豪馬たちの始動戦というイメージの強かったレースですが、大阪杯がG1へと格上げされ、香港、オーストラリアなど海外に目を向ける機会も増えた昨今は中距離路線の選択肢が増えたことで、最近では大物同士の一騎打ちというケースは少なくなってきました。

それでも昨年の勝ち馬レインボーラインは勢いそのままに天皇賞（春）を制覇しており、頭数こそ揃わなくなったものの、ステイヤー同士の前哨戦としての色は濃くなってきているのかもしれません。近年の勝ち馬をみてもサトノダイヤモンド、シュヴァルグラン、そしてゴールドシップの3連覇など、勝ち馬からは目が離せません。

今回人気になりそうなのは、前走1年以上の休み明けで臨んだG2アメリカジョッキークラブカップをいきなり勝利したシャケトラです。2着に来たのも昨年の菊花賞馬フィエールマン、それ以下にも実績馬が多数集まったレースでの復活勝利ということで連勝を期待したくなる1頭ですが、今回取捨を難しくさせているのが乗り替わりとなっている点で、戸崎圭太騎手が騎乗予定となっています。関西圏よりも関東圏での成績が良い印象もある騎手なので、上位人気濃厚な今回は敢えて消しという判断もありといえるかもしれません。

登録馬11頭中G1馬は1頭もいないメンバー構成となりましたが、そこで注目したいのが横山典弘騎手のロードヴァンドールです。ここ2戦は2桁着順と結果が出ていませんが、今回は叩き3戦目ということでダイワメジャー産駒にして異色の長距離砲の復調が望まれます。

レース展開を考えると、前走の万葉ステークスでは後のダイヤモンドS勝ち馬のユーキャンスマイルを逃げて下したヴォージュや、戦績にムラはあるものの逃げてどこまで行けるかという競馬を続けているサイモンラムセス、さらに昨年の鳴尾記念を逃げて勝利しているステイインシアトルなど、できればハナを切りたいであろう馬が多い中でベテラン横山騎手がどの位置取りを選択するかという点が興味深いところです。

ここ2戦の敗退や血統的距離不安などから人気は下位が予想されますが、穴馬の1頭としてロードヴァンドールに期待したいと思います。