【宝塚記念】例年フルゲート割れの春のグランプリ、改革には何が必要か?
上半期のグランプリである宝塚記念に頭数が揃わないという状況が続いています。今年も12頭でのレースとなり、逃げたキセキを2番手のリスグラシューが交わして勝利という「いったいった」のレースで終わり、後続勢は何も出来ないまま終わってしまいました。もちろん前にいった川田騎手、レーン騎手など陣営の作戦勝ちということもありますが、頭数が少ない上にこの展開では、条件戦ならまだしも上半期の総括となるG1では物足りないと感じた競馬ファンも多いのではないでしょうか。
1,2年ならともかく、例年頭数が揃わないのが当たり前となってしまうのには天候も荒れやすく気温も暑い時期というのが大いにあるでしょう。秋にもビッグレースが控えている素質馬達を暑いシーズンに無理させるべきではないという風潮も有り、人気投票でも上のほうが辞退しつつ更に頭数が揃っていないというのが現状です。
さらに、海外遠征が当たり前となってきた昨今はレースの選択肢も幅広くなり、同じ時期に出走を検討するにしてもコンディションの難しい国内G1にこだわる必要もうすれつつあります。また、一番の問題点と言えるのが、大物達の回避が相次ぐことで他のG1と比べ勝つことによる得られる栄誉や名声といった目に見えない部分での価値が下がってきているのではないかという向きもあります。
ファン投票を行いグランプリと呼ばれるのが宝塚記念と暮れの有馬記念の2レースになりますが、相変わらず有馬記念が日本で一番盛り上がるレースを保っているのと対照的でもあります。JRAがG1のカーニバル開催を望んでおらず1週1レースずつの開催を維持する以上、有馬記念との組み合わせ的にも宝塚記念はこの時期しか考えにくいですが、このまま手をこまねいていてはG1としての価値を維持できるか疑問ではあります。
そこで提案したいのが海外G1では見られるものの日本では見られない形態の一つである「ハンデG1」に変更するというのはどうかということです。
レースの賞金的に考えても宝塚記念に出走馬がこれほどに集まらないというのは異常事態とも思えるだけに、JRAもそろそろ重い腰をあげて日本に未だ無いハンデ戦のG1を出走馬の集まりの悪い宝塚記念に適用するというのはどうだろうかと考えています。
ハンデ戦にしたらなおのこと有力馬が出走しにくいのではないかという意見もあろうかと思いますし、日本に今までに例のないこととなるため想定しきれないことも多いかと思いますが、宝塚記念はこのままでいいのだという意見も余り聞かれないことも確かではあります。
ハンデの導入に限らず、グランプリを謳うにはあまりにも頭数が揃いづらい現状を打破するための何かこれまでにない大胆で大きな改革が必要なのではないでしょうか。