【凱旋門賞2019予想】日本馬キセキ、“奇跡”おこせるか

先週からいよいよ秋競馬も本格化、G1戦線も開幕しましたが、始まったそばから谷間の週を迎えるという不思議な番組編成の日本中央競馬です。しかし、海外馬券が買えるようになった今となってはちょうどお誂え向きとも言えるシーズンに凱旋門賞が開かれます。今年も日本から3頭が挑戦することとなり、馬券発売もされます。

注目はやはり各ブックメーカーはもちろんのこと、応援買いの後押しもあり身内贔屓気味なオッズの付きやすい傾向がある日本の馬券発売でもおそらく圧倒的一番人気になるであろう三連覇を狙うエネイブルです。今年久々に来日を果たすデットーリ騎手とのコンビも非常に強力で、長期休養をはさみ若干不安要素のあった昨年よりも、順調に使い込めているだけ臨戦過程は今年のほうが良いようにも見えます。

昨年は早めに抜け出したエネイブルに対してシーオブクラスがゴール寸前で猛追しクビ差2着まで追い詰めました。その他にもオルフェーヴルの前に立ちはだかったソレミア、トレヴ2頭ともが牝馬ということで牝馬の活躍が目立つレースですが、タフになりやすいコースのため、斤量の軽さがそのまま優位に出るレースとも言え、今回挑戦する日本馬はみな古馬のため苦戦が強いられることでしょう。

オッズで言えば日本馬3頭ともにおそらく伏兵の域は出ないとは思われますが、いずれも前走3着以内からの参戦ということで勢いは悪くありません。その中でも特に注目したいのがキセキです。

前走のフォワ賞では陣営の指示を受けて2番手に控える競馬で、終いは伸びを欠き3着と敗れてしまいましたが、今回は頭数も増え、各陣営がペースメーカーを出走させてくることを考えると前走のような展開にはならなさそうです。また、騎乗するスミヨン騎手も2度目。そして今回は人気面でもマークは薄めということで前回よりも自由な立ち回りが出来ることでしょう。

現在日本ではラグビーワールドカップが開催されており、つい先日は日本が格上のアイルランド相手に「奇跡」の勝利を成し遂げたのもトレンドとして面白いところです。

角居厩舎といえば、東日本大震災で日本全体を鬱屈として空気が覆っていた時期にヴィクトワールピサでドバイワールドカップを制し、明るい話題を振りまいてくれた厩舎でもあります。台風15号の残した爪痕が今も残る地域に、希望となる走りを見せてほしいという願いも込めて狙ってみたいです。