【ジャパンカップ2019予想】2400mベストのムイトオブリガード、ルメールが強み引き出す
今週は国際競走「ジャパンカップ」が行われます。今年は開催史上初の外国馬0頭という回になりましたが、これについては様々な理由が考えられます。時期的に香港国際競走と被りますが、複数のG1レースでシリーズ化された香港は賞金も十分高く、レース選択ができる利点などもあります。アーモンドアイをはじめ国内の強い馬があちらへ向かうのも無理はないように思えます。
とは言いつつ、今の2400m路線の最強クラスの馬が揃うこの一戦は、秋競馬の中で最大級に見どころのある一戦であることは間違いないでしょう。今年はマカヒキ、レイデオロ、ワグネリアンと言った3世代のダービー馬に加え、一昨年のジャパンカップ馬シュヴァルグラン、昨年の大阪杯を勝っているスワーヴリチャードなど5頭のG1馬が参戦。
さらに、外国馬は出走しない代わりに、8年ぶりの来日となるデットーリ騎手をはじめとした世界のトップジョッキーが7人も参戦しますので、国際ジョッキー腕自慢対決という観点でも非常に面白いレースとなりそうです。
そんなジャパンカップで注目しているのはムイトオブリガードです。
ムイトオブリガードは、3歳時にはなかなか勝ち切れませんでしたが、明け4歳で1勝クラスを勝った直後に阪神大賞典に果敢に挑戦したことからも、厩舎の期待値はもともと高い馬でした。
阪神大賞典では8着に敗れましたが、その後は3連勝でオープン入りし、以後重賞の常連馬まで駆け上ってきた馬です。重賞挑戦6戦目となった前走のアルゼンチン共和国杯を勝利し、悲願の重賞初制覇を成し遂げました。5歳となった今年ようやく花開いたというルーラーシップ産駒らしい晩成タイプです。
前走は掲示板に入ってきた他の馬が差し馬ばかりだったことを考えると、唯一先行して勝ち切った勝ちっぷりは優秀です。今回ジャパンカップにも出走するタイセイトレイルやルックトゥワイスの怒涛の差し脚を凌ぎ、ラスト50mでは逆にさらに突き放したように感じられるほどの快勝でした。オジュウチョウサンが作った緩やかなペースが向いたこともありますが、確固たる逃げ・先行馬が不在である今年のジャパンカップのメンバー構成を考えると、今回もこの馬向きの展開となる可能性は高そうです。
さらに、今回C.ルメール騎手への乗り替わりも好材料として見ております。約1年5ヶ月ぶりのコンビ復活となりますが、東京2400mで行われた2勝クラスのレースを同騎手で2勝を挙げており、コンビ実績は非常に良い内容です。ルメール騎手は馬に適した展開を読んでその通りに運ぶことが上手い騎手ですから、展開面で有利になる可能性が大きい今回は期待値も高くなります。前走の横山騎手の騎乗内容に不満があったわけではありませんが、ルメール騎手の持つ強みが今回ムイトオブリガードの強みを大きく引き出してくれるような気がいたします。
国際ジョッキー対決とも言える今回のジャパンカップですが、先週までリーディングトップをひた走るルメール騎手が、ここは経験の違いを魅せてくれることでしょう。ということで、令和初となる今年のジャパンカップは、上昇度が魅力なムイトオブリガードと日本が誇る名手のルメール騎手とのコンビを優勝候補の最右翼として注目したいと思います。