コロナ禍に負けず大盛況に終わったHBAサマーセール
9月に入り秋競馬に突入とは言いつつも30℃超えの残暑が厳しい日が続きますが、今年の夏は大半の方が外出時にはマスク着用という特異な夏となりました。サッカーやプロ野球では人数制限をしつつも有観客での試合が開始されてきていますが、JRAでは未だ入場制限を継続しており、ここでも競走馬という生き物を間近で扱うという特殊な条件が働いているのかと思われます。幸い馬券の売上はネット経由で順調な推移を見せています。
また、ワクチンの開発もゴールが見えない中、来年以降の開催状況がどうなっていくか不透明ということもあり、競走馬のセールに関しては売れ行きが心配されたものの、予想外と言える大盛況が続いたようです。
先月の25日から28日までHBA日高軽種馬農業協同組合の主催する1歳市場のサマーセールが北海道市場で開催されました。上場された1072頭のうち牡馬474頭、牝馬351頭の合計825頭が売却され、77%と高い売却率となり、また取引総額を見ても、今年は52億170万円と、歴代最高値を示しました。
最高価格はハーツクライとナナヨーティアラの間に生まれた牡馬のナナヨーティアラの2019で、2000万円のコールからスタートして、みるみる競りあがっていき4800万円でビッグレッドファームに落札されています。
父ハーツクライはダービー2着、そして母のナナヨーティアラは芝1200mで3勝のスプリンターだったものの、祖母のナナヨーストームはエアグルーヴが制したオークスでは、忘れな草賞1着、フローラS2着からの参戦で、3番人気と高い支持を受けていた馬で、先々どんな馬に育つのか楽しみな1頭です。
億を超える高額落札馬が多数飛び交うセレクトセールと比較するとどうしても地味めな印象になってしまうHBAサマーセールですが、バラエティに富んだ血統が多く上場するセールでもあり、今後とも注目したいセールですね。