今年は朝日杯FSを勝利出来るか?武豊騎手

まだ1カ月も先の話ではあるが、今年も朝日杯FSが行われる。近年の朝日杯FS開催前の話題を独占しているのが、ご存知・武豊騎手。この朝日杯FSを勝てば、前人未到のJRA・GⅠ全制覇となる。昨年はエアスピネルとのコンビでついに大記録達成と思われた所に、デムーロ騎手鞍上のリオンディーズに差し切られてしまった。

これが勝負の世界の厳しさ。もう20打席ヒット打ってないから、ど真ん中にストレートを投げてくれなど、プロ野球の世界では口が裂けても言えない。当たり前のことだがこの壁を乗り越えるには自分で打開するしかない。打開できなければそこまでの選手。これは競馬にも同じことが言える。

恵まれた馬に乗ると言うのも信用で勝ち取った事。そのチャンスを活かすも殺すもそのジョッキー次第。今回で言うと武豊騎手が中心人物。JRAの金字塔を数々塗り替えた武豊騎手でも朝日杯FSでは未勝利。残りのGⅠが5個ならある程度諦めもつくが、残り一つでは諦めがつくはずもない。

この王手をかけた後が難しい。私たち一般人の日常でも、王手をかけるまでは上手く行く事が多いが、最後の一山を超すのは非常に大変な事である。こればかりは仕方がない。自力で最後は決めなければいけない。武豊騎手程のジョッキーでもなかなか決めきれない事があるのだ。

空前絶後のチャンス年だった2015年

2015年の朝日杯FSは最終的にエアスピネルで挑んだものの、どの馬で行くのか悩ましいと言われたほどに充実した年だった。新馬戦を快勝したエアグルーヴの系譜ポルトフォイユに、東京スポーツ杯2歳S勝ち馬スマートオーディンなど、素質馬が集まった中で選択したのはデイリー杯2歳Sで連勝中のシュウジを相手取り3.5馬身差の圧勝を見せたエアスピネルだった。

たらればを言えば他の馬で挑む選択肢もあったが、戴冠こそ逃したもののクラシック三戦まで無事に乗り越え、距離不安と言われる中で3着に伸ばしたエアスピネルとのコンビは今後も注目していきたい。

さて、話を戻し今年の2歳馬勢はと言うと、昨年に比べてしまうと少々小粒と言わざるをえない。めぼしいところではエアスピネルの全弟エアウィンザーがいるが、こちらは現在1勝馬で、朝日杯FSに間に合うか未知数な上に距離適性も兄より長めが向いているように見える。そういう意味では来年のクラシック戦線では見ものだが、現状ではどうかと言った所。もし出走するならば武豊のお手馬となるだろうと想定されるが、ここはまだわからない。

兎にも角にも後一つ。チャンスは今年だけではないが、毎年狙わないことにはいつチャンスを失うことかわからない。バリバリのド本命だからといって勝てるとは限らないように、今年は難しいかも、と思うような馬でも、狙っている以上チャンスはある。今年こそ遂に満願成就となるのか?今から目が離せない。