冠がなくても所有者がわかる?こだわりの名付け親とは?

平成の名牝といえるウオッカ・ダイワスカーレットが最初にぶつかったGⅠが桜花賞です。ウオッカに負けたチューリップ賞のリベンジを見事果たしたダイワスカーレットですが、ではその桜花賞の3着馬を覚えていらっしゃるでしょうか。ダンスインザダーク産駒のカタマチボタンです。

桜花賞を7番人気ながら3着に好走した後は、残念ながら勝利することなく繁殖入りとなりました。馬主は諸江幸祐さん。産駒も諸江さんが所有しており、これまでアンヤト、デビューできなかったキングカメハメハの2012、そして今年の2歳馬・ツエーゲンを所有しています。

ツエーゲン、どこかで聞いたことがありませんか?そう、サッカーのJリーグのチーム「ツエーゲン金沢」です。ツエーゲンとは金沢の方言で「強いんだよ」という意味。

そうなると姉のアンヤトも気になります。アンヤトも実は金沢の方言で「ありがとう」の意。諸江さん自身が実は金沢出身ということもあり、こだわりをつけて名づけているんですね。

となると・・・母のカタマチボタンも金沢つながり?そうなんです!諸江さんの祖母が経営していた喫茶店の名前が「牡丹(ぼたん)」。そして、そのお店が金沢市片町にあったことから、片町牡丹→カタマチボタンなんですね。

マイネル、サトノ、タガノ、ミッキー、アドマイヤなど、冠で所有者が分かる例が多いですが、方言で所有者が分かる、というのもオツな感じがして面白いですね。そんなツエーゲンはキングズベスト産駒で、加藤征弘厩舎に入厩しています。馬名どおり「強いんだよ」とアピールできるかどうか、5回中山開催を予定しているデビューを楽しみに待ちたいと思います。