【オールカマー2017】レース展望、有力馬「5頭」の見解

9月24日(日)は中山競馬場2200mで「オールカマー」が開催されます。昨年は2015年の有馬記念の勝ち馬ゴールドアクターが優勝し、一昨年の優勝馬ショウナンパンドラは、その2ヶ月後にジャパンカップを制覇。2着のヌーヴォレコルトは続くエリザベス女王杯と暮れの香港カップでも2着に好走しました。

実績のある馬が好走する傾向にあるレースで、1番人気の過去10年の成績は「4-3-1-2」で複勝率が80%と高め。しかし、一方で7年連続で6番人気以下の馬が馬券に絡むなど、人気薄の激走も少なくありません。今年はどの馬が制すのか。今回は人気上位が予想される出走予定馬をチェックしてみたいと思います。

オールカマーの出走予定馬・有力馬候補「5頭」

アルバート

前走天皇賞春5着のアルバートは夏は休んで秋初戦。今秋はオーストラリアのG1・メルボルンカップを目標に掲げており、オールカマーの内容で出否が判断されることになりそうです。メルボルンカップは国内でも発売対象となっているレースなので、ぜひとも優勝して史上2頭目となる日本馬によるメルボルンカップ覇者に輝いていただき、現地だけでなく日本で応援している国内の競馬ファンも盛り上げてほしいですね。

オールカマーの方ですが、舞台となる中山の2200mはスタートの直線も合わせると急坂を2回越えるタフなコースで、スピードだけでなく、スタミナと底力も求められる難しいコースです。アルバートにとっては武器であるスタミナが生きてくるコースと言えるでしょう。メルボルンカップへの出走を前向きに検討するためにも、ここは勝ち負けを演じてもらいたいところです。

ステファノス

重賞レースで2着4回、3着4回となかなか勝ちきれないでいるシルバーコレクターのステファノスは、6月の安田記念(7着)ぶりに参戦。安田記念ではペースが流れたことで前半で脚を使ってしまい、持ち味が削がれてしまいましたが、2走前の大阪杯ではキタサンブラックの2着に入着するなど健闘しております。

後半の持続力勝負で良さが出るタイプで、実質スローで脚を残しながらキタサンブラックの後ろで競馬を進めることができた大阪杯のようなレースが理想。中山コースは中山記念3着や皐月賞5着など相性は悪くないのでここでも好走する可能性は高く、善戦マン卒業にも期待がかかります。

タンタアレグリア

前走のアメリカジョッキークラブカップを優勝し重賞初制覇を果たしたタンタアレグリア。約8ヶ月の休み明けをものともせずゼーヴィントらを相手に勝利を収めました。しかしその後は右前肢深管骨瘤症状が出て再び休養となってしまい、今回も約8ヶ月ぶりの実戦となります。

長距離路線で力を発揮するステイヤータイプかと思いきや、前走は中山の2200mで7番人気の低評価を覆す見事な勝ちっぷりで、これまでとは全く違った競馬を見せてきました。その後怪我はしてしまいましたが、2200mでも強い競馬を見せた前走は適性の幅を広げたと感じさせる好内容でした。同じ舞台である今回のオールカマーでは楽しみな一頭です。

ルージュバック

昨年は東京の重賞を2連勝し重賞は通算3勝を挙げているものの、近走は不本意な成績が続いているルージュバック。主戦騎手の戸崎圭太騎手はステファノスに騎乗するため、今回ルージュバックは北村宏司騎手へと乗り替わりになります。なお、秋の大目標は11月のエリザベス女王杯となっておりますが、鞍上は未定となっております。

内から器用に立ち回って、というよりは外から勢いをつけてトップスピードに乗せてからが鋭いタイプのイメージの馬です。向正面からは下りと平坦部分しかなく、スピードのせやすい中山の2200mコースは合いそうです。ノビノビと走らせたい馬なので、外枠ならプラス。正直、怪物牝馬と評された3歳時の迫力は若干薄れてしまいましたが、今回の顔ぶれならまだまだヒケは取らないはずです。

モンドインテロ

前走の札幌日経OPで連覇を果たし、1年ぶりの勝利を果たしたモンドインテロ。重賞は未勝利ですが、ステイヤーズステークス3着、日経新春杯3着と重賞路線でも上位争いする力はあります。昨年までは距離が長いところを多く使っておりましたが、今年は中距離路線で奮闘中。2400~2500mあたりは守備範囲に入りそうですが、2200mとなるとどうかという不安もあります。

総合力は高い馬ですが、使える脚は長くなく、これだという武器がないイメージの馬です。そこそこの末脚でも届く位置でレースをすれば足りてくると思いますし、当時は好位に付ける競馬もしていたので、距離を短縮するならこれまでとは違った競馬にも期待したいところです。

以上、有力馬候補5頭を紹介させていただきました。秋初戦にオールカマーを使う予定だったゴールドアクターも上位人気が予想された有力馬候補でしたが、春の疲れが抜けないと判断されたため、同競走は回避することとなりました。今後は美浦トレセンで再度調整し、ジャパンカップ直行から、有馬記念に臨む見込みとなっております。

今年の第63回オールカマーは、2017年9月24日(日)の中山競馬場2200m(芝・右)で開催予定となっております。