【朝日杯FS予想2023】シュトラウス、課題は“折り合い”

将来を嘱望される2歳馬が集結する暮れのマイルG1「朝日杯FS」がいよいよ開催される。

今回注目したいのは出世レースの東京スポーツ杯2歳Sを制したシュトラウスだ。2008年のマイルCSを制したブルーメンブラットを母に持つモーリス産駒で、G1馬の両親を持つ良血馬。サウジアラビアRC・3着、東京スポーツ杯2歳S・1着と実績は上位。大物の気配を感じているファンは少なくないはずだ。

この馬に関してはとにかく“折り合い”が全て。サウジアラビアRC、東京スポーツ杯2歳Sといずれも序盤から行きたがるところを見せており、前走のレース後には「正直なところコントロールするのが難しい」とJ.モレイラ騎手もコメント。まだ気性の若さが抜けておらず、今回も道中いかにスムーズに運べるかがカギとなるだろう。

キャリア3戦はいずれも東京のマイル戦で、今回は阪神マイルで初の右回りを経験することになる。左にモタれるところがあるので右回りの方がかえって走りやすくなる可能性はありそうだ。

脚質的には一瞬のキレというよりは持続型タイプという印象で、サウジアラビアRCでも勝ち馬とは決め手の差で負けたというような内容だった。瞬発力に特化した阪神マイルが舞台となる今回は、適性的に合っていない可能性もあるだろう。

1800mの前走から1Fの距離短縮は大きなプラスとなりそうだが、マイルでも落ち着いたペースになれば折り合いは欠く。今年はセットアップやエコロヴァルツあたりが逃げ馬候補となりそうだが、スローでは差される可能性が高いので、ある程度飛ばしていくのではないだろうか。当然流れた方が良いシュトラウスとしては好都合。

また、瞬発力に秀でたタイプの参戦も今年は少なく、メンバー構成的には十分にシュトラウスを上位に評価できるメンバーとも言えよう。輸送も含めて環境の変化で気性面に影響が出てくる可能性もあるが、流れる見立てならこの馬から勝負するのが妥当かもしれない。