【ヴィクトリアマイル2024予想】激走期待の穴馬は逃げ馬候補のコンクシェル

2015年に3連単2070万円超のG1最高配当が飛び出した波乱のG1「ヴィクトリアマイル」がいよいよ開催だ。

伏兵の台頭にも十分に注意しておく必要がある一戦となるが、今回警戒したいのは中山牝馬S・1着から参戦するキズナ産駒の4歳牝馬コンクシェルだ。

昨年の今頃はまだ1勝クラスを勝ちきれずに苦戦しており、今年1月の3勝クラス・節分Sでも12着大敗と完全に下級条件の競走馬だった。しかし、2月の3勝クラス・初音Sでは番手追走から抜け出して3馬身差で圧勝し、休み明け2戦目で一変。そして続く前走の中山牝馬Sでは、先手を取ってスムーズに逃げていき、ラスト5Fあたりからペースを上げて突き放していく競馬を展開。5Fのラップは11.9-11.3-11.9-11.7-12.6と速く、決して楽な逃げではなかったが、突いてきた先行勢が沈んでいく中でしっかりと粘りきって快勝した。

これまでの競馬を見返すと、スローペースを前目から追走し、早めにスパートをかけて持続勝負に持ち込むのがこの馬の好走パターン。ヴィクトリアマイルの舞台となる東京1600mは、下り坂からのスタートである点と、バックストレッチの距離が長いことから前半から流れることが多いコースである。実際ヴィクトリアマイルも例年スローとなることは少なく、ほとんど平均ペース以上で進められることが多い。例年の傾向はコンクシェルの好走パターンには当てはまらないが、昨年は中京マイルの鞍ケ池特別で序盤から速いペースで逃げて好時計で勝っており、スロー専用というわけでもないだろう。

さらに怖いのはこの馬が逃げた時だ。しぶとく粘れるスタミナとパワーを兼ね備えており、マイペースで競馬ができた時は強い。今年は明確な逃げ馬も不在で、差しに特化した馬の参戦が多い。競りかけてくる馬もいなそうで、ここはスムーズにハナを切れる可能性は高く、逃げればかなり面白くなる。2014年には11番人気のヴィルシーナが逃げ切り勝ち、2015年には18番人気のミナレットが逃げて3着と穴馬が逃げ粘るケースも少なくないので、ここは該当馬となるコンクシェルにも十分に警戒しておきたい。

鞍上の岩田望来騎手も、この馬の特性と今回のメンバー構成を見れば積極策は有効な手となるということは理解しているはず。前走は勝負どころで馬場の良い外側へ持ち出す好騎乗でコンクシェルを勝利へと導いており、コンビ相性は抜群。引き続きコンビ継続で臨める点は好材料で、この勢いのままG1タイトル奪取といきたいところだ。

実績を考えればここは伏兵的な立場での参戦が濃厚で、馬券妙味は十分。逃げ馬の最有力候補という位置づけからも、ここは積極的に馬券に取り入れていきたい。