ハナズゴール、初産駒に「奇跡の血量」

競走馬の配合には様々な用語があります。近年では父ステイゴールド×母父メジロマックイーンで話題になりました、優秀な産駒の生まれやすい特定の組み合わせを指すニックス。そして、父・母に共通の祖先を持つインブリードなど。競馬のテレビゲームでおなじみの方も多いかもしれません。このインブリードには、その共通とする祖先との関係により濃さという概念があり、3世代前と4世代前それぞれに現れることを奇跡の血量とよびます。これ以上濃くすると近親交配のリスクが顕著になりかねない。今回はそんな奇跡の血量で誕生した1頭の仔馬についてのお話です。

チューリップ賞で当時の2歳女王ジョワドヴィーヴルや、後の牝馬三冠であり32頭目の顕彰馬でもあるジェンティルドンナを破ったハナズゴール。後にオーナーの故郷でもあるオーストラリアでG1制覇を成し遂げるなど、息の長い活躍を見せてくれた馬でした。そんなハナズゴールの初仔が今年の3月30日に誕生しました。父はルーラーシップの牝馬で、奇跡の血量の対象となる馬はダイナカールになります。

父ルーラーシップから辿ると、その母がエアグルーヴのさらに母と三世代遡ることでダイナカールが現れます。そしてハナズゴールの父オレハマッテルゼの母カーリーエンジェルの母もまたダイナカールとなり、母方からは四世代遡ります。デビューは早くとも2年後とまだまだ時間がありますが、父ルーラーシップ、母ハナズゴールともに古馬になって大成した馬ですが、日本で脈々と受け継がれ多くの活躍馬を送り出したダイナカールのインブリードとなれば桜花賞、オークスなどクラシックからその先まで夢は広がりますね。