【天皇賞秋2022】ジャックドールは逃げる?控える?

今週は秋の古馬中距離王者決定戦「天皇賞・秋」が開催。今年で166回目を迎える伝統的な一戦だ。すでに春の牡馬クラシック戦線で大活躍を見せているイクイノックスとダノンベルーガ、昨年のダービー馬のシャフリヤールと強豪が揃ったが、勢いなら前走の札幌記念を制し重賞2勝目を果たしたジャックドールが最上位だろう。

これまで逃げる競馬で好走してきた同馬だが、前走は控える形で強敵ソダシを降したのは好材料。パンサラッサにハナを譲ると、3~4番手から追走。4コーナーを抜群の手応えで迎えると、絶好の位置から抜け出してクビ差しのいでゴールする好内容の競馬を展開した。

過去10年の傾向を見ると、逃げ馬は【0-0-2-8】と不振気味だ。前走以前のままならここは一枚落ちる評価となっていたところだが、逃げても控えても競馬ができるようになった今なら評価は上げたいところ。

天皇賞・秋は前半は平均からやや速め程度の流れで、道中はそれほど緩まず一定以上のスピードを保つ淀みのない展開となる傾向が強いレース。3走前に金鯱賞を逃げ切った時のペースを展開していくのが理想だろう。金鯱賞はハナを切って淀みないラップで引っ張っていき、直線も坂の上りで後続を突き放してレコードで逃げ切るという内容の競馬だった。金鯱賞では自身で逃げていってペースを作れたが、今回逃げ馬候補のパンサラッサが出走する。この馬も前半は飛ばしていく馬なので、札幌記念同様にパンサラッサの後ろを見ながら上手く流れに乗れれば、再び持続力ある脚を活かして粘りきってくれる可能性は高い。

ここまで期待できるのはやはり前走の札幌記念で控える競馬を展開してくれたからだろう。控える競馬で果たしてシャフリヤールやイクイノックス、ジオグリフやダノンベルーガといった強敵を凌げるほどの脚を使えるかどうかは未知だが、まとめてねじ伏せる競馬を見せてくれても不思議はない1頭だ。