【カンナS考察】ダート血統に潜んだ芝適性の覚醒・リュウノユキナ

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血統は奥が深い。そう思える地方馬が再度中央に殴り込みをかけてきます。今週日曜中山9レースの2歳オープン・カンナステークスに、札幌の2歳OP・すずらん賞を勝利したリュウノユキナが参戦します。父はヴァーミリアン、母父がクロフネと、血統背景だけを見れば芝で結果を出しているのが不思議に思えてしまう配合です。母は未出走のまま繁殖にあがりましたが、伯母のサウンドザビーチはTCK女王盃競走も勝利しているように、ダート血統のように見えますが、更に先を見ると納得の芝馬なんですね。

母ネオカラーの母ナギサと言えば、現役時代はJRA所属の立派なオープン馬でした。個人的に記憶に焼き付いているのがメジロドーベルの優勝した1998年のエリザベス女王杯。もう19年前になるかと思えば月日の経過の早さを感じます。さて、そのとき果敢な逃げで場内を沸かせたのがナギサでした。

14頭中14番人気の単勝万馬券。メジロドーベル、エアグルーヴといった名牝が出走するなか、当時オープン昇格前の条件馬を馬券検討に入れていた方も少ないでしょうが、4着まで食い込みました。G1において展開が向いただけで4着までは来れないだろうことを考えると、そのポテンシャルは相当高いものだったのではないでしょうか。

そんな祖母の遺伝子を受け継いだのか、リュウノユキナ自身も前走では単勝50倍以上という人気薄ながら見事差し切り勝ち。ホッカイドウ競馬所属ということでオッズも高くなってしまったところはあるでしょうが、内容だけ見れば王道の競馬で勝利した見事な走りでした。

前回は同じ北海道内でしたが、今回は長距離の遠征かつ、坂もあるコースということで楽ではありませんが、ここも勝利するようであれば朝日杯FS初の地方馬の優勝も見えてくるだけに注目の一戦となります。