名牝系ロンドンブリッジ、紡ぐ系譜はどこまで続く

記事「名牝系ロンドンブリッジ、紡ぐ系譜はどこまで続く」のサムネイル画像

ブラッド・スポーツとも呼ばれる側面のある競馬においてサラブレッドには、競走馬時代に成績を残すことと、繁殖馬として後世に名を連ねることの2つの大きな仕事が課せられています。

様々な歴史をたどってきた結果、父系をたどれば現在は三大始祖と呼ばれる3頭の種牡馬に絞り込まれるように進化していきましたが、牝系に関しては、どれだけ期待のかかる名牝であっても年に1頭までしか出産できないと言う制約がある以上、種牡馬と異なり偏った生産は不可能ということで、多様性を保ったまま現代まで続いてきています。

その中でも注目の牝系というのもあり、日本ではダイナカールからエアグルーヴ、そしてアドマイヤグルーヴと受け継がれてきた牝系は誰もが知るところの有名なファミリーラインといえるかもしれませんが、もう1つ注目すべき牝系として、ドクターデヴィアス産駒ロンドンブリッジの系譜があります。

競走馬時代はファンタジーステークスを勝利し、桜花賞2着という戦績を残した快速牝馬でしたが、その後のオークスを最後に繁殖入りし、母親としてオークス馬ダイワエルシエーロ、そしてビッグプラネット、グレーターロンドンといった重賞勝ち馬を輩出。さらに孫のキセキが菊花賞を勝利するなど、多くの活躍馬につながる牝系となっています。

グレーターロンドンはG1勝利もなく、重賞勝利もG3の中京記念のみでしたが、血統面と、脚部不安から復活して安田記念出走までこぎ着け掲示板に食い込んだ実績が評価されて種牡馬入りし、昨年65頭、今年は50頭とまずまずの繁殖牝馬を集めました。

今年の宝塚記念で2着に入りスランプを脱したキセキもおそらく引退後は種牡馬入りが見込まれるだけに、大きく幅を広げる牝系となるでしょう。

海外から一流の種牡馬、一流の繁殖牝馬を導入していくことが当たり前となっている日本の競馬界ですが、現役時代を知っている競走馬の子孫を応援していくというのもまた競馬の醍醐味の一つではないでしょうか。