【初富士S予想2023】〝当然買い〟の中山巧者とは？

中山の土曜メインは、去年から2000mで行われるようになったハンデ3勝クラスの初富士ステークス。4歳の上がり馬や5歳の実力馬が揃っており、見ごたえのある一戦となりそうだ。

前評判の高さでは、神戸新聞杯で1番人気に推されていたパラレルヴィジョンが最上位か。その神戸新聞杯では7着に敗れたが、勝負どころでは包まれて動けず、直線も外へ切り返すロスがあった。力を出し切っての敗戦ではなく、キャリア2戦という実績で臨んだことも考えれば見限るべきではない一戦だったと言えよう。

そして仕切り直しとなった前走の2勝クラスでは、まさかの逃げ切り勝ち。最内枠からスムーズに前へ出て積極策を展開すると、直線に入ってもそのまま後続に並ばせずに3馬身半差をつけて快勝した。速い時計の出るコンディションで内馬場有利と、前が止まりにくい条件がハマった感もあるが、ここでは力の違いを見せつける結果となった。

とは言え、さすがに今回は相手も弱くない。56kgとハンデは恵まれた印象はあるものの、今回はこのクラスで勝ち負けしている馬も多数おり、前走のように逃げれば厳しくマークされることになるだろう。前走はあっさり通過点というレースだったが、ここでは苦戦を強いられる競馬も考えておく必要があるだろう。

中山が舞台となる点も、パラレルヴィジョンにとってはやや信頼度が落ちる材料となる。能力的にはこのメンバーでも当然劣らないものを持ってはいるが、広い東京コースの方がより買いやすいというのはある。キャリアが浅い4歳の同馬よりも、中山の実績が豊富な馬に目を向ける必要があると感じる。

そんな中で注視しているのが紫苑S・2着の実績がある5歳牝馬のスルーセブンシーズだ。

紫苑S・2着含め、中山コースは5戦して【2-1-2-0】で馬券圏内率は100%と好成績。重馬場開催となった中山2000mのミモザ賞をメンバー上がり最速の脚で差し切った実績があり、前走は稍重開催となった新潟2200mの日本海Sで2着と、タフな馬場を苦にしない点も好材料。

5ヶ月の休み明けという点が気がかりではあるものの、昨年3月の湾岸Sでは4ヶ月半ぶりの実戦で体重も22kg増えていたが、後方から上がり最速の脚で伸びて3着に好走。休み明けでも走ってくれる馬だ。18日の最終追いでは美浦Dでしまい2Fを23.6－11.3の好ラップでまとめる好ラップで時計も出している。大幅な馬体増も見られない今回はより好状態に仕上がってそうな気配だ。

牝馬で56kgのハンデは決して楽ではない条件ではあるが、中山なら高い信頼度を持って買って良い。ここではスルーセブンシーズが持つ高い“安定感”をより評価し、同馬を中心に組み立てた馬券で挑みたい。