【キーンランドカップ2023予想】ナムラクレア1強ムードも“タフ馬場”は危険サイン?

今週は8月を締めくくる北のスプリント重賞「キーンランドC」が札幌競馬場で開催。スプリンターズSの前哨戦という位置付けということもあり、例年ハイレベルなメンバーによって熱戦が繰り広げられている。

今年の主役候補はスプリント重賞3勝、高松宮記念・2着の実績を誇るナムラクレアが最有力。

前走のヴィクトリアマイルこそ8着に敗れたものの、道中挟まれる不利があり、雨の影響もあった。試走的な意味合いもあったと考えられ、度外視とまでは言わないまでも、この馬自体の評価を下げる必要もないだろう。

札幌コースは未経験だが、昨年の函館スプリントSですでに洋芝は経験済み。加えて斤量55kgとくればもはや鬼に金棒状態と言って良い。得意のスプリント戦に戻るここは、最上位の存在と見て良いだろう。

一見全く死角がないように見えるナムラクレアだが、不安材料も少なくない。

まず、近走出脚がどんどんと鈍くなっていっているという点。もともと出脚は鈍いタイプの馬であったが、今年に入りさらに遅くなってきた印象がある。前走のようにスタート直後にごちゃつく展開になれば、序盤から一気に不利な展開となる可能性はある。両側から馬体がぶつかって折り合いがスムーズにいかなくなったのが残念という内容だったが、こうなると本来の脚は活かせずに終わってしまうのがこの馬の弱み。

距離は同馬にとってはベストの舞台となるが、前走の二の舞いとなるとここでも期待を裏切る結果となる可能性も十分にあるだろう。

また、タフな馬場や展開となると失速の懸念も高まる。やはり馬場は高速に近い良馬場がベスト。前走の負けは不利の影響もあったが、雨でタフな馬場となった影響も少なからずあっただろう。先週の札幌は稍重発表の馬場だったが、札幌記念は前半スローで後半も掛かるタフ馬場で、馬場に泣かされた馬も多くいた。今週末の札幌も雨予報となっており、引き続きタフ馬場となる可能性は高そうだ。

スプリント戦での実績を考えるとここは1番人気が濃厚。マイルから得意距離へ、メンバー弱化、斤量のアドバンテージと条件的には申し分ないが、不安材料も決して少なくないことは覚えておきたい。