JRA馬主近藤利一氏、死去

「アドマイヤ」の冠名でも知られる競馬界の名オーナーの近藤利一氏が、17日早朝、大阪市内の病院で病気のため亡くなった。77歳だった。

近藤氏は今夏にがんであることを公表したが、すでに抗がん剤治療が終了したと報告していた。しかし、関係者によるとその後転移が見つかり、闘病生活を送っていたという。

近藤氏は1984年に馬主資格を取得。1998年の朝日杯3歳S(現朝日杯FS)をアドマイヤコジーンで優勝し、G1初制覇を飾ると、翌年にはアドマイヤベガで日本ダービーを勝利した。2007年にはドバイ・デューティフリーをアドマイヤムーンで優勝し、海外G1初制覇も果たした。

また、毎年7月に行われるセレクトセールでは、創設された1998年から積極的に高額馬を落札しており、これまでに500頭以上をJRAでデビューさせてきた。他にも、毎年老人福祉のため妻名義で大阪市役所や所有馬のファンクラブなどに賞金の一部をそれぞれ寄付するなど、篤志家としての側面も見せており、レース以外でも競馬界に大きく貢献してきた。

近藤氏が所有する馬の通算成績は、JRA重賞は60勝、うちG1は13勝。他に、海外G1・2勝、地方交流G1・6勝を挙げ、G1は計21勝。なお、規定では故人の馬主名義変更には1カ月の猶予期間があり、所有馬の動向は今後決められる。

近藤利一氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。